研究課題/領域番号 |
21K02237
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
青木 一 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (90754341)
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研究分担者 |
伏木 久始 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00362088)
鎌野 育代 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10794951) [辞退]
多田 孝志 金沢学院大学, 文学部, 教授 (50341920)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベテラン教員 / 研修プログラム / 学び直し / 主観的幸福感 / 貢献力 / ロールモデル / モチベーション |
研究実績の概要 |
これまでRe-LearnやUn-Learnとして学び直しが検討されてきたが,本研究では組織内での立場や所作,制度的な側面の再創造といったより広義な対象を扱っている。すなわち,「ベテラン教員」のリ・クリエイション(再創造)を促進させる有効な研修プログラムとは何かという問いのもと、教職歴の豊富な50代教諭および再任用の60代教員の経験知を活かしつつ,新たな時代の学校づくりに向けた「ベテラン教員」のリ・クリエイション(再創造)を促進させ,以下の2つの課題に応える新たな研修モデルを構築することを目的とする。(課題1)「ベテラン教員」において,定年延長・再任用で勤続年数が延長することを鑑み,これまでの先輩モデルから脱却した新たなロールモデルを追究すること。(課題2)効果的で円滑に営まれる学校組織マネジメントを構築するため,チーム学校として重要な立ち位置にある「ベテラン教員」の新たな役割を明らかにし,その意識と力量を向上させるためのOJTおよびOFF-JT研修講座を開発し,実践・評価すること。背景として、勤続年数の延長等による大きな割合を占める「ベテラン教員」への期待と課題が挙げられる。研究方法として「ベテラン教員」調査・分析と研究協力教育施設でのプログラム開発および実践を行い、その有効性を分析する。本研究の独自性・創造性は、「ベテラン教員」タイプ別分類によるフィロソフィーを基盤としたモチベーション3.0,主観的幸福感(Subjective Well-Being),貢献力向上の追究等が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度では、全国都道府県等の教員育成指標を基にした「ベテラン教員」層の研修内容の分析を各研究分担者と協働するとともに、全国各教育委員会・教育センター等における「ベテラン教員」に向けての研修講座を有無および今後の「ベテラン教員」への期待と目指す教師像を調査し、研究分担者等で協議した。 また、「ベテラン教員」の抱く意識調査および学校現場における管理職・教職員のニーズおよび資質・能力調査を行い、分析した。 明らかになった結果は、エビデンスベースの新たなロールモデルと「ベテラン教員」の学び続ける意識等を阻害する要因である。 現在、諸外国の教員育成政策の実情を調査中である。
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今後の研究の推進方策 |
教職員間の組織マネジメントを資源とし、「モチベーション3.0」「主観的幸福感」「貢献力向上の追究」を基盤とした研修プログラムの開発する。その後、研修プログラムの有効的内容を選択し、2か所の研究協力教育施設での「ベテラン教員」研修を試行実践し、OFF-JTからOJTへの一体的好循環の波及効果の測定を行う。 実践協力施設は、長野市教育センター,長野県総合教育センター、支援協力は、千葉市養護教育センター,千葉市教育センター、千葉県柏市教育研究所である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度、感染症の影響による出張取り止めに関して、予定していた調査活動を再開し、各教育事務所・委員会・教育センター等での研修講座体系および内容の分析を行う計画である。それに伴う旅費および調査補助の人件費を予定している。
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