1、関連文献・資料の収集・吟味:去年度に引続き、Culturally Linguistically Diverse Children (以下、CLD児)の「母語」習得についてアクション・リサーチを進めるうえで、重要とみられる文献を収集し、講読した。今年度は、アクション・リサーチのフィールドを就学前のCLD児を対象とした「プレ・スクール」に増やしたこともあり、これに関連する文献の購読や収集にも取り組んだ。2、アクション・リサーチ:去年から引続きでCLD児とその保護者の研究協力を得て、アクション・リサーチを断続的に実施した。また、2023年12月より、就学前のCLD児童を対象にして、就学までの「母語」の習得や生活での言葉の学習を中心とした「プレ・スクール」を開設し、子どもと保護者の協力を得て、アクション・リサーチのフィールドとした。これは去年度実施した愛知県内への視察・聞取り調査をもとにして実践に移したものである。以上の二件のフィールドは、昨年度と同じ二人の研究協力者により運営された。これらの運営の際にはフィールドノートを付け、蓄積した。このノートは、二人の研究協力者、研究代表者、および研究分担者とで共有されて研究・分析の材料となり、このなかの一部が後掲する「3.学会発表・論文の状況」に掲げた論文にまとめられた。3、学会発表・論文の状況:2の蓄積を分析し、今年度は「CLD児の『母語』習得過程に現れる困難・障壁とその克服に関する研究:事例検討②続編」を執筆した。また、本研究のための基礎研究として田中昌人・田中杉惠による理論の講読を進め、翻訳出版をした。
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