研究課題/領域番号 |
21K02255
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研究機関 | 中部学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
杉山 祐子 中部学院大学短期大学部, 幼児教育学科, 教授 (70647114)
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研究分担者 |
田村 哲嗣 岐阜大学, 工学部, 准教授 (10402215)
植松 勝子 (植松勝子) 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (30720429)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 潜在保育士 / 離職理由 / 復職動機 / 自己効力感 / 音楽自主学習システム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、離職保育者が復職するためには、どのような背景や動機が決め手になるかの課題を明確化し、行政及び保育現場、離職保育者へ研究成果を公表し、復職者の環境支援への提案を行う。そのために、1年目の研究として、一旦は離職した保育者が再び復職する動機の解明に焦点を当てた質問調査(インタビュー)を行った。この調査により、以下の復職動機の傾向と、数量調査に向けた、質問項目の精査が明らかになった。 研究推進のため、研究代表者と研究分担者のほかに、研究者の所属する学会に働きかけをし、3名の研究協力者を得た。以上の6名で、9月より月1回の共同研究会を開催し、情報の共有や研究推進の検討を行っている。 その共同研究会において、離職理由と復職動機を明らかにする質問項目の作成を行った。離職・復職委共に理由のステージを4つ置き、さらにステージ内に具体的なキーワードを含む理由項目を設定した。個人の要素による傾向を見るために、属性の調査を加えた。作成した質問紙調査と個別インタビューをセットにした調査を、17名の復職保育者に対面で行った。 その結果を、研究分担者がテキストマイニングの手法で分析し、全員に共通するキーワードと、個別の特性のキーワードを明確にし、回答者が潜在的に持っている動機を掘り起こした。復職保育者に共通した点として、離職理由がライフワークである結婚、出産育児が最も多く、人間関係や労働条件を上回ることが判明した。復職動機は、保育の専門職の価値観や、仲間からの勧誘が最も多く、働き方も選択できることなどの条件が分かった。個別の事由は、多岐にわたっている。1つ1つの解決には、時間と労力を惜しまず、傾聴することが分かった。自分がどのような経過を経てきたかを語ることで、自分自身が明らかになり、自己効力感を向上する効果が見られた。 この結果を踏まえ、2年目では、数量調査を実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この研究課題のために、研究者が所属する学会で研究協力者を募集したところ、東海三県の3名の保育養成校の教員が参加した。 個別の調査を4名で分担し行うことで、より広い地域と環境での調査が可能であった。 しかし、コロナ禍で、保育園への出入りが制限され、調査の承諾が遅れたため、数量調査の準備にまでは至らなかった。しかし、課題について研究者6名で協議しながら進め、日本保育学会での研究発表を行い、そこでも質問や意見などを収集することができ、今後の研究の推進になった。
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今後の研究の推進方策 |
2年・最終年度の研究課題は、離職保育者の復職を支援する仕組みへの提案である。そのために、1年目で行ったインタビュー調査で得た成果をもとに、保育園・幼稚園への数量調査を実施する。主に東海三県での調査とする。その結果を、再度AIによる分析を研究分担者が行う。 一方で、復職のための支援方法を検討する。Web上の企画として、「メタバース」での支援方法を視野に入れ、その研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由については、個別インタビュー後の数量調査の経費が繰り越したことによが生じ、承諾を得ることに時間を要した。そのため数量調査を繰越す決定をした。 2022年度は、数量調査にかかる経費として、印刷代、郵送費、回答の集計(委託)が必要となる。
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