研究課題/領域番号 |
21K02256
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
木戸口 正宏 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (90405093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会的自立 / 貧困 / 子ども / 若者 / 支援実践 |
研究実績の概要 |
釧路・道東地域における子ども・若者支援実践について、以下のような知見および成果を得た。 1)生活困難に直面する子どもたちの学習支援に加え、不登校などの状況にある子ども・若者の居場所づくりの取り組みが進められていること。またそうした取り組みを地域で引き継ぐ形で、日常的な仕事づくりや共同の生活の場がつくられ、そこで若者たちが自分たちの経験を語り合いながら、お互いに支え合い、社会に参加していこうとする場や実践が展開されていること。さらに、そうした取り組みの中で、当事者の若者たちが、希死念慮のある子ども・若者への、SNSを活用した支援・サポートに取り組むなど、新たな展開を見せていること。 2)釧路・道東のこうした取り組みが持つ意義や現代的な意味について明らかにするために、全国の若者支援実践との交流の場を持つとともに、これを「ユースワーク」「コミュニティワーク」という視点から、ヨーロッパ諸国における若者支援・地域福祉における議論や理論的蓄積と結びつけた形で分析し、その成果を公表した。 3)アイルランドの「コミュニティワーク」の研究者を、日本の「ユースワーク」の研究者とともに釧路の実践現場に招き、地域における「場づくり」という観点から、双方の実践や理論的知見を分析・検討する会を開催し、社会的に発信を行なった。このネットワークは、今後の調査・研究の進展において重要な資源となると思われる。 4)困難な状況にある若者たちの支援やサポートという視点から、コロナ禍の大学における学生支援の状況を調査し、小論としてまとめた。今後、こうした大学における支援活動を、若者の置かれている社会的立場の変容や、それに伴う新たな若者支援の課題として位置付け、調査・分析を行なっていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍における移動や交流の制限などの影響が大きく、それらを踏まえて、改めて実現可能な研究計画や見通しを立てる必要があった(基礎疾患を抱えているために、より慎重な判断や対応を求められた)。 本年度も、引き続き求められる感染対策や防護策を講じた上で、実現可能な形で研究計画を進め、遅れを取り戻したい。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度でもあるため、これまでの知見や成果を踏まえつつ、研究のまとめに入っていきたい。 1)この地域の子ども・若者の社会的自立のプロセスの全体像を、とりわけさまざまな困難を抱えている子ども・若者の状況にそくして、明らかにする。 2)またこうした子ども・若者に対して行われているさまざまな支援実践について、その具体的な意義を明らかにするとともに、日本や他国の若者支援実践とともに比較検討し、その普遍的な価値や意義を明らかにする。またそこで得られた知見が、教育学や教育福祉の新たな理論形成にとってどのように貢献するものであるか、研究成果の還元・社会的発信を通して、問いかけていく。 3)地域における「場づくり」という観点から、引き続き国内外の研究者・実践者とのネットワークづくりに取り組み、もって今後の調査・研究の進展に役立てたい。
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