研究課題/領域番号 |
21K02281
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
大多和 直樹 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60302600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 学びの生徒文化 / 生徒文化 / 中等教育研究 |
研究実績の概要 |
高校生対象の質問紙調査および学校(高校)にたいするインタビュー調査を軸に学びの生徒文化を明らかにするのが本研究であるが、初年度は首都圏位置する自治体の教育委員会への調査依頼を中心に進めた。これにより、メインの調査である生徒調査の実施の目処を立てることができた。その際、調査対象校の選定にあたっては、高校生の学びの形成過程がどのように「トラッキング」(学校階層構造の位置)等で構造化されているのかを探るべく、学校階層構造の上から下までをカバーしていること、さらにカリキュラムや学科編成等に特色のある学校を取り上げることを条件としているが、概ねこの条件での調査実施が可能となった。 理論的検討では、生徒文化研究の対象を学びに拡張する、すなわち、学び研究の知見を参照しつつ学びにまつわる行動や意識が生徒文化としてどのように捉えられるのかについて理論な検討を行った。理論的検討の範囲は広く、その過程で、現在の生徒文化論として中心的位置を占めているスクールカースト論について、情報化と学校教育が学びに与える影響などについても検討を行ったが、これがスピンオフ的に関連する学会発表や業績につながることとなった。ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて調査対象校の選定を兼ねた学校調査を行うことは難しくなってしまった。これは、次年度以降の持ち越しとなったが、教育委員会等を通じていくつかの学校の状況についての情報を得ることができ、それをもとに学校の選定を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大によって学校への調査が難しくなり、また、自分自身が(授業期間が終わった研究がしやすい時期に)オミクロン株に感染したことも一因となり学校調査の実施ができなくなった。ただし、調査自体の目処を立てることができ、理論的検討も一定程度進んでいることから、自己評価としては、「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方策としては、2022年度の主たる課題である生徒対象質問紙調査を計画通りに実施することである。「質問紙調査」ではあるが、教育委員会からのアドバイスでオンライン実施を検討している。 2021年度に実施するはずだった学校調査は、調査項目作成のためのものでもあったが、理論的検討や教育委員会からの情報に基づいて調査票を作成することとした。学校調査については、再検討としたい。 新型コロナの影響は、引き続き大きく、計画通りに行かないことも念頭に置きつつ、その中で、できる範囲において最大限の研究を実際に実施するというポリシーのもと研究を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
おもに学校調査が実施できなくなったことで交通費やインタビューのデータ化、資料整理にかかる経費が支出されなかったため。
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