研究課題/領域番号 |
21K02284
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科, 教授 (50211983)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 留学 / トランスナナショナル / 高等教育 / 海外分校 / 国際プログラム / 対面授業 / 遠隔授業 / オフショア教育 |
研究実績の概要 |
研究初年度においては、新型コロナ感染症による、海外渡航への制限が続くなか、学位授与大学が海外の分校や国際通信プログラムによる、いわゆるトランスナショナル高等教育をどのように展開しているかの現状分析を中心に行った。コロナ禍以前から国際プロラムや海外分校展開を行っていた大学と、コロナ禍の渡航制約によって、プログラムの国際配信を始めた大学の双方について、情報収集を行い、その規模、分野、期間、学位の授与状況、授業料設定、学生の反応などについて、どのような違いや共通点があるかについて、分析を行った。すなわち、プログラムの設置が恒久的な設計である場合と、臨時的な緊急措置の設計の場合とで、どのような位置づけの違いがあるかについて、情報の収集を行った。 続いて、実際の海外分校のプログラムの状況や実施担当者へのインタビューを行う計画があったが、この点についてはコロナ禍の影響により、海外渡航が制約される状況で、現地調査は実施できていない。また多くの国で実際の学生の流動に加えて、教員や運営者の流動も制限されているため、トランスナショナル高等教育の世界動向も縮小の傾向にあり、その克服の方策の一つがまさにこの研究のテーマでもある「対面型遠隔教育」の展開としてのトランスナショナル高等教育であるので、研究意義の生ずる局面でもあるので、各国、各校の最新の情報を収集するように努めているが、現状どうしても電子文献の検索が中心となり、多面的なリソースの活用という段階にはいたっていない。 そのほか、今年度は本研究の連携研究者や、これまでの共同研究で協力を得てきた研究分担者との打ち合わせ会議をオンラインによって行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、海外渡航が制約される状況で、現地調査は実施できていない。また多くの国で実際の学生の流動に加えて、教員や運営者の流動も制限されているため、トランスナショナル高等教育の世界動向も縮小の傾向にあり、その克服の方策の一つがまさにこの研究のテーマでもある「対面型遠隔教育」の展開としてのトランスナショナル高等教育であるので、研究意義の生ずる局面でもあるので、各国、各校の最新の情報を収集するように努めているが、現状どうしても電子文献の検索が中心となり、多面的なリソースの活用という段階にはいたっていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度においても、トランスナショナル高等教育の形態(海外分校、国際提携学位、国際通信学位、合弁型など)や展開状況(プログラム数、レベル、分野、媒体言語など)について文献を中心に情報の収集を行う。 新型コロナ感染症の収束が見えてきたなかで、現地訪問調査、インタビュー、質問紙調査を非英語圏を中心に開始したい。トランスナショナル高等教育現場を訪問し、1次資料の収集と観察、関係者へのインタビューを行い、比較可能な情報として共有できるように事前検討を行う。特に渡航リスク下における、リスク分散や危機管理オプションの機能への経営者の認識などに関する部分は、他の方法によって比較的得られにくい情報であるので、慎重かつ的確な質問項目を形成する。またすべての情報について、文献的裏づけの検討もあわせて行う。 研究協力者や外部メンバーを集めた打ち合わせ研究会を開催し、これまでの全情報を統合して比較法の手続きに基づいて、総合的な情報整理を行い、資料集の編集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症パンデミックの継続により、海外渡航が制限され、予定されていた海外調査を行うことが全くできず、国内旅費もオンライン会議により経費の執行ができなかった。科研調査予定費目のうち8割を示す、国内打ち合わせ、海外調査ができていないため、大幅な経費の未使用額が生じている。
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