研究課題/領域番号 |
21K02286
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
前田 崇 北里大学, 一般教育部, 准教授 (10507966)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 社会人基礎力 / 社会人 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は2000年代中頃から現在に至る日本社会における「若者問題」・「教育問題」と「社会人基礎力」の社会的構築、制度化、普及・影響のプロセスを明らかにし、批判的に考察することである。 2021年度の研究計画では、「若者問題」・「教育問題」と「社会人基礎力」の社会的構築及び制度化の過程を調査・分析する予定であった。 2021年度は「社会人基礎力」に関わる史資料の収集・整理と、「社会人基礎力」に関わる政策を分析するためのパースペクティブに関する文献の収集及び理解・考察に重点をおいたため、学会発表や論文などにまとまった成果は得られていないが、2022年度にはこれらの史資料とパースペクティブを用いた研究成果を学会などで発表し、論文投稿を行う予定である。 今年度は当初の計画通り、社会人基礎力の構築とその背景をめぐる経済産業省の政策を調査したが、ある立場の政策が背景にあることがわかり、こうしたタイプの政策を分析するために新たな理論的文献を収集・整理・考察を進めた。 「社会人基礎力」の構築過程に関する記述がある場合があると考え、当初の計画では次年度以降に収集する予定であった社会人基礎力を身につけるための授業の教科書や文献、「社会人基礎力」に関する新聞記事などを前倒しして収集した。また、2021年度に新たに「社会人基礎力」に関する論文が発表されているため、これらの論文を閲覧・収集し、その内容を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
進捗が当初の予定よりもやや遅れているのは主に以下の2つの理由による。 (1)新型コロナ禍の中、社会人基礎力の構築に関わる資料を収集するため、国立国会図書館や大学図書館などを利用しているが、入館者数に制限などがあり、当初の予定のように頻繁に図書館を利用して資料収集を円滑に行うことが困難であった。そのため史資料の閲覧・収集に普段よりも多くの時間がかかった。 (2)社会人基礎力の構築とその背景をめぐる経済産業省の政策を調査する中で、ある立場に立つ政策が背景にあることがわかり、こうしたタイプの政策を分析するために新たな理論的文献を収集・整理・考察する必要が生じた。これらの理論は難解であるため関連する文献の読解・理解に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
理論の解説書や関連図書などを購入し、スムースに分析のパースペクティブに関わる理論を理解して研究を効率的に進める。ある程度、研究が進んだところで、専門の研究者に専門的知識の提供を受け、効率的に研究を進める。新型コロナ禍の状況にもよるが、感染状況が収まっている時期に史資料の閲覧・収集を集中して進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度はやや研究の進捗が遅れ、専門の研究者に専門的知識の提供を受ける段階まで至らなかった。そのため、専門の研究者への謝金、交通費などを使用しなかった。また、史資料の閲覧・収集が当初の計画通り行えなかったため、コピー代や交通費などを使用しなかった。次年度にこれらにかかる予算を使用する予定である。
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