研究課題/領域番号 |
21K02296
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
堀 智久 名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70608710)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インクルーシブ教育運動 / 就学運動 / 歴史 / 英国 / 日本 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、これまで行ってきた日本の就学運動の歴史の整理とともに、英国インクルーシブ教育運動の資料の収集・検討に力を入れてきた。 日本の就学運動の歴史に関しては、2000年代に至るまでの障害児を普通学校へ・全国連絡会の歴史の整理を行い、とりわけ、1990年代に原則統合の法制化の必要性がいかに認識され、その後2000年代に入って障がい者制度改革推進会議のなかでそれが議論されるようになったのかを検討してきた。1990年代以降の国際的なインクルーシブ教育の動きや国内での従来の運動スタンスの限界性が認識されるなかで原則統合の法制度の必要性が認識され、その後2000年代には文部科学省において特別支援教育への転換のための議論が進められるなかで、これに対抗して具体的な法制化の案が構想されてきたことを明らかにしている。 英国のインクルーシブ教育運動に関しては、英国のインクルーシブ教育運動団体であるALLFIEの思想と実践の検討を行っている。ALLFIEは、障害当事者を中心に運営される障害者団体であり、障害の社会モデルを思想的なベースとしてインクルーシブ教育を捉えている。このALLFIEが、これまでいかなるスタンスのもと運動を展開してきたのか、またいかにしてインクルーシブな学校づくりのための実践を行ってきたのかを明らかにしている。 令和4年度は、英国のインクルーシブ教育運動の検討をより深めるために現地調査を重点的に行い、現在の運動に至る歴史やその運動の広がりを詳細に明らかにしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本来であれば令和3年度に英国に渡航し調査を行う予定であったが、コロナウイルス感染拡大の影響を受け、令和4年度に渡航を延期することになった。その関係で国内での本研究課題の調査の遂行を前倒しして行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
本来であれば令和3年度に英国に渡航し調査を行う予定であったが、コロナウイルス感染拡大の影響を受け、令和4年度に渡航を延期することになった。その関係で令和4年度は本来は令和3年度に行う予定であった英国内での現地調査に力を入れたいと考えている。
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