研究課題/領域番号 |
21K02309
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
小谷 裕実 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10294266)
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研究分担者 |
村田 淳 京都大学, 学生総合支援センター, 准教授 (00742305)
宮谷 祐史 京都大学, 学生総合支援センター, 特定助教 (90950767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 障害学生 / 高等教育機関 / キャリア支援 / 企業 / インターンシップ |
研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究は、発達障害者へのリモートワークを導入した雇用モデルの構築を目的とし、産学公協働システムに基づく、発達障害学生を対象とした、ICT支援付インターンシップを開発する実証的研究により、今日的職業課題を解決に導くものである。本研究のポイントは、①発達障害者の就労促進を、産学公協働による高等教育機関でのキャリア教育プログラムに位置付けること。②これまで障害者就労支援で実施されている体調管理システム、障害学生を対象とした修学支援用のICT活用コンテンツを、発達障害学生のキャリア教育に応用すること。③リモートワークをインターンシップに導入し、発達障害学生の自己理解、職業理解、ストレス度と、企業の障害者雇用意識を評価し、発達障害特性により類型化すること、の3点にある。 【研究実績】インターンシップ実施のための基礎データとして、高等教育機関におけるキャリア支援の実態と、企業の障害学生の採用状況に関する調査研究を実施した。京都府内の高等教育機関約50校、および企業約2000社を対象に質問紙調査を行った。高等教育機関には、障害学生に関する19項目(障害種別在籍者数、キャリア支援の実施体制と内容、インターンシップで期待される効果と課題等)とした。企業に対しては、障害学生の採用に関する19項目〔新卒採用実態と必要な支援、障害学生のためのインターンシップの実態と課題等その他キャリア支援の課題〕とした。回収された件数(回収率)は、高等教育機関18校(41.9%)、企業278社(15.1%)であった。現在、発達障害学生へのインターンシップ実施に向けて、得られた結果を収集、分析中である。今後は、今回の調査結果を参考に、研究計画に一部修正をかけ、学生に対する面接内容やアセスメント方法を決定し、ICT支援付インターンシップの実施計画を作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発達障害学生のインターンシップ実施については企業との対面の機会を免れないことより、新型コロナ感染症拡大を十分配慮し、進めることを研究計画段階で想定していた。現在はオミクロン株の流行が高止まり状態であるため、調査研究を進行中である。学生と企業のマッチングやインターンシップは、少なくとも本年度後期までは実施できないと思われ、引き続き調査研究を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
インターンシップ実施計画を作成するために、質問紙調査内で承諾の得られた高等教育機関と企業を対象に、インターンシップ実施に際しての実態と課題について、オンライン等でインタビュー調査を実施する。その結果を踏まえて、ICT支援付インターンシップ実施計画を策定する。具体的には、発達障害学生については、インターンシップ実施前後のアセスメント方法、障害学生の募集方法、支援方法(支援者、時期、頻度、ICTツール等)の検討を行う。一方、企業については、就職支援機関と連携実績のある企業数社を対象として、仕事の切り出し、企業の支援方法(支援者、時期、頻度、ICTツール等)の検討を行う。加えて、学生と企業のマッチング方針などを決定する。 以上の内容は、新型コロナ感染症拡大予防のため、基本的にはオンラインで実施することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、新型コロナ感染症拡大のため、オンラインでのみ会議を実施し、会議室使用料が不要となり、加えてインターンシップを行わなかったため、昨当初予定していたwifiモバイルルーターレンタル料として計上していた予算を使わなかったため。 次年度に予定しているICT支援付インターンシップを実施するにあたっては、会議室使用料、wifiモバイルルーター等が必要であり、この予算を使用する。
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