研究課題/領域番号 |
21K02327
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
稲垣 卓司 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80176388)
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研究分担者 |
樋口 和彦 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80710110)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 愛着障害 / 発達障害 / 問題行動 / 実態把握 / アンケート調査 / 鑑別 |
研究実績の概要 |
<研究の目標の観点から> 申請者らは、子どもの呈する問題行動が「愛着の問題によるものか?それとも発達障害による特性によるものか?」という鑑別ができ、支援につなげることを目標としている。研究計画として次の3つのステップを置いて進めている。①発達障害と愛着障害の鑑別ができるポイントを明瞭に理解しやすく提示できるかどうか。それを②支援の場で生かされるかどうか、さらに、子育てにおいて家庭で役立つものにするために、③ペアレントトレーニングの一つの視点として生かすことができる、である。研究1年目の2021年は「研究対象者の実態の把握」と「問題行動10パターンの鑑別の完成」の目標で、具体的には、1)対象職員に対するアンケートと口述・聞き取り調査、 2)アンケート調査と基礎データの分析・事例分析、3)分析結果から支援内容を考えるである。目標に基づく研修内容とアンケートを先行研究をもとに作成後、研修を行う計画を立て、実際に研修をおこなった。 <実施計画の観点から> 当初、アンケート調査は横浜市の児童施設等を中心に予定していたがコロナの状況のため訪問できなかった。このため島根県内のA町内の数か所の保育所(園)の保育士24名を対象とする研修会を開催し、同意を得てアンケート調査を行うことができた。さらにB市内のC保育園にも開催を依頼し、アンケート調査のみ協力を得、20名から回答をいただいた。実態把握のためのアンケートを全体で44名の保育士から得ることができた。54名の結果を解析途中である。今後データを追加してく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
<研究計画よりやや遅れている理由> 2021年当初に、以前からお願いしていた横浜市の児童療育センターを中心に、保育士、児童指導員への研修と実態把握のためのアンケートを収集する予定であったが、新年度の計画段階で「蔓延防止地域」に指定されており、予定通りに計画を進めれなかった。アンケート調査と研修による情報収集を主目的としていたため、2021年度当初のスタートから遅れてしまった。2021年度の他の施設、学校への依頼が積極的にできなかったために、研究受け入れ施設が少なく、計画より遅れることになった。 そこで、コロナの状況の悪化も予想されていたので、島根県内の保育園、幼稚園、小学校の教員や児童指導員を対象として急遽対象を変更して、研究をすすめ、データを収集していくことにした。当初、協力保育園・幼稚園・小学校で協力できるところを検討し、調整に少し時間がかかった。しかし、コロナ禍という感染対策による行動制限などの制約はあったが、島根県内で研究協力していただけるところをあたり、研修に協力指定していただけるところを初期の段階で2か所確保できた(研修とアンケート調査が2021年秋、研修はコロナ禍のためできず、アンケート調査のみを2022年初旬におこなった)。 2022年初めから、新年度(2022年度)に向けて、研究協力校に打診している。 2022年4月時点で、島根大学の指針でも研修の場合の人数制限や部屋の広さの確保などを求められており、研究方法で挙げている「研修」ができない場合の調査研究も検討が必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
<今後の方針> 2021年度に収集したデータをみると、愛着障害の研修を受けた保育士が思った以上に少なく、研修の必要性を感じている(未受講が35/44人:80%)。実際の保育現場での愛着障害についての実態をみると、行動面での対応のむつかしさや、発達障害との鑑別が難しいようである。まだサンプル数が少なく傾向くらいしか示せない状態である。また、集めることのできたアンケートの回答者が全員保育士であったため、幼稚園、小学校からのデータがあれば年齢も比較できるのではないかと興味を持つことができている。そして、新年度からの協力施設を打診している。当面、複数での幼稚園(島根県内)での研修とアンケート調査を計画している。通常のクラスばかりでなく、児童養護施設の指導員等へのアンケートもおこないたい。ここまで集積した結果を中間報告として、R4年度の第63回日本児童青年精神医学会総会(11月10-12日:松本市)において発表し、意見や感想等をいただくことで、次の考察につなげる予定である。具体的には下記の予定で行う。 ●2022年7月まで:島根県内幼稚園2か所での研修とアンケート調査 対象は50名予定。 ●2022年10月まで:島根県内小学校2か所での研修とアンケート調査 対象は50名予定。全体で150名のアンケート結果を集積したい。 ●2022年度末まで:現場の養護教諭、小学校教諭の「愛着障害」に対する実態を把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新型コロナの蔓延防止のため、施設訪問での研修やアンケート調査が一部しかできなかった。いくつかの知見は得られたが、まとめて考察するまでの観察数には至らなかった。このため、学会発表を控えることになった。データ入力用のPCと周辺設備は整えることができた。 2022年度においては、研修を県内各地(県外も検討中)で行う計画をしている。集計ソフトや「愛着障害」に関する心理検査キット等の購入も検討している。
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