研究課題/領域番号 |
21K02329
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 善信 福島県立医科大学, 保健科学部, 助教 (70769744)
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研究分担者 |
倉澤 茂樹 福島県立医科大学, 保健科学部, 教授 (40517025)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 放課後等デイサービス / 自閉症スペクトラム障害 / 知識尺度 / 項目反応理論 |
研究実績の概要 |
放課後等デイサービス(以下,放デイ)とは,学校に就学している障害児が生活能力の向上のために必要な訓練,社会交流の促進等を行う施設と定義されている.これは,2012年の児童福祉法改定に伴い,障害児通所支援事業の一つとして位置付けられた新しい支援の枠組みである.この比較的新しい枠組みは,身近な地域で充実した療育を受けられるよう規制緩和され,施設数が急増した.その一方で,放デイ職員の専門性や活動内容における質の低下が指摘されているが,具体的な対応策は未だ明確に示されていない. 本研究の目的は,放デイ職員の発達障害の特性と支援に関する知識(発達障害リテラシー)を明らかにし,発達障害リテラシーの向上に寄与する研修システムを構築することである. 放デイにおける支援の質の背景要因として,職員における発達障害の特性に関する基本的知識と支援に関する実践的知識について検証することで,放デイ職員の知識レベルの構造を多面的かつ重層的に把握することが可能となる.つまり,職員の発達障害リテラシーレベルが把握できれば,発達障害児に対する評価的視点の発展や目標設定の具体化が促進される段階的な研修システムを構築することができ,適切な支援の提供に繋がる知見となり得ると考えている. 本年度は,発達障害の特性と支援に関する知識尺度を構成する概念と項目を検討するため,項目反応理論(以下,IRT)に基づいて開発された,自閉症スペクトラム障害の障害特性知識尺度(LS-ASD)を用いて,県内に所在する放デイ施設に対して,職員の障害特性の理解の現状とその関連要因について探索的な調査を実施した.また,本研究の結果に基づき,尺度における構成概念を整理し,項目プールを作成するための文献研究及びIRTを実施するためのソフトウェアに関する情報収集に力を入れた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は,発達障害の特性とアセスメント及び支援に関する項目案を作成するため,専門家を招集し,対面でのフォーカス・グループ・インタビュー,および放デイ施設を訪問し,職員へのインタビューを実施する予定であった.しかしながら,新型コロナウイルス感染症蔓延と感染防止対策を考慮して,実施を差し控えた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,以下のように研究を実施する予定である. 1)発達障害の特性とアセスメント及び支援に関する項目案について,zoom等を利用したオンラインでのインタビューを検討する.2)作成した項目案についてDelphi法を実施し,内容的・表面的妥当性を検討し,発達障害の特性と支援に関する知識尺度(発達障害リテラシー尺度)暫定版を作成する.3)発達障害リテラシー尺度暫定版をインターネット調査会社が保有するweb調査モニター登録者500名を対象に実施し,デモグラフィックデータにおける群間比較を行い,基準関連妥当性と信頼性を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた計画が一部実施できなかったため,次年度使用金が生じる結果となった.これらは,専門家や放デイ職員へのインタビュー実施に伴う謝金や調査票配布に必要な印刷費及び郵送費などに使用する予定である.
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