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2021 年度 実施状況報告書

離婚後の共同養育実践のための包括的支援体制の構築ー離婚家族への総合的支援

研究課題

研究課題/領域番号 21K02332
研究機関東京国際大学

研究代表者

小田切 紀子  東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (10316672)

研究分担者 長田 真里  大阪大学, 法学研究科, 教授 (10314436)
二宮 周平  立命館大学, 法学部, 教授 (40131726)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード面会交流 / 離婚後の共同養育 / 親の離婚を経験した子ども
研究実績の概要

研究1「面会交流支援ー面会交流支援団体の拡充」
面会交流支援団体への調査(2020年-2021年実施、調査協力団体45団体)の結果をもとに、①「オンライン面会交流のガイドライン」、②「面会交流支援の事前面談のガイドライン」のドラフトを作成、支援団体からフィードバックをもとに修正を加え完成版を作成した。現在、ホームページに掲載の準備中である。①は、「オンライン面会交流の難しさ」「面会交流支援者としてのオンライン交流の対策」「子どもの年齢とオンライン面会交流における留意点」から成り立つ。②は、「面会交流の事前面談の手順」「支援者の留意点」「事前面談内で確認すべきこと」から成り立つ。
研究2「子ども支援ー子ども意向調査のガイドライン策定」
親の離婚を経験した子どもを対象にウエブ調査を実施した。
調査時期:2021年3-4月。調査対象:親の離婚を18歳以下で経験した18歳以上29歳以下の男女515名。平均年齢25.05歳。調査内容:基本属性(性別、職業、離婚時の年齢、回答時の年齢、未既婚、面会交流の有無、養育費の受給の有無、親の離婚の種別など)、自尊感情尺度、父母の別居・離婚に伴う心理的苦痛尺度。結果・考察:調査協力者の基本属性と面会交流の有無では、、調査協力者の未既婚を除くすべての項目で有意な相関が認められた。職業においては、「面会交流あり」が、「正社員」「、面会交流なし」は、「アルバイト」「その他」が多かった。また、「面会交流あり」は、自己肯定感が有意に高かった。「面会交流なし」は、父母の別居・離婚に伴う心理的苦痛尺度における「許せなさ」「寂しさ」が有意に高かった。「養育費なし」は、「自己非難」「許せなさ」が有意に高かった。以上から、面会交流と養育費とは相関があり、面会交流がないものは養育費の受給がない傾向が高く、自己肯定感が低く、心理的苦痛が強い傾向が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究1については、面会交流支援団体が調査に対して協力的であったのでデータを予想よりも数多く得ることができ、それをもとにガイドラインの作成ができた。作成した2つのガイドライン「オンライン面会交流」「面会交流の事前面談の手順」についても、支援団体の支援員から建設的なコメントやフィードバックを得ることができたので完成版を2021年度内に作成することができた。
研究2については、ウエブ調査会社の選定に少し時間を要したが、調査の実施と分析はスムーズにでき、有意義な結果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

研究1:面会交流支援団体に対して、作成したガイドラインの普及活動、親ガイダンスの研修、裁判外紛争解決手続き(ADR)の研修の実施とADRの普及を実施する。
研究2:海外(主にアメリカとドイツ)で、子どもの心情調査、子どもの意向調査(the voice of the child)の研修に参加して、その手続きを学び、日本の子どもや家族文化に適合するように改定して、子ども調査のガイドラインを策定する。

次年度使用額が生じた理由

ドイツ・ベルリンでのメディエーショントレーニング、アメリカでの国際学会の参加が不可能になったため支出予定していた金額を次年度に使用することにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 親の離婚を経験した子どもと面会交流支援団体に関する調査報告2021

    • 著者名/発表者名
      小田切紀子
    • 雑誌名

      家庭の法と裁判

      巻: 35 ページ: 35-44

  • [学会発表] The impact of post-divorced interaction with separated parents on children2021

    • 著者名/発表者名
      Noriko Odagiri
    • 学会等名
      Association of Asian Family Therapy
    • 国際学会
  • [学会発表] 親の離婚を経験した青年に与える心理的苦痛の要因2021

    • 著者名/発表者名
      小田切紀子・青木聡
    • 学会等名
      日本心理臨床学会
  • [備考] 一般社団法人 面会交流支援全国協会ACCSJ

    • URL

      https://accsjapan.com/

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公開日: 2022-12-28  

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