研究課題/領域番号 |
21K02341
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研究機関 | 愛知みずほ短期大学 |
研究代表者 |
杉山 佳菜子 愛知みずほ短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (60568054)
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研究分担者 |
榊原 尉津子 高田短期大学, 子ども学科, 准教授 (40787991)
小川 真由子 鈴鹿大学, こども教育学部, 准教授 (70736389)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地域子育て支援 / 孫育て / Elderly Sitter Program / 世代間ギャップ |
研究実績の概要 |
7月に高齢者世代に孫育て意識と、子育て知識を問う質問紙調査を実施した。約60名の高齢者世代のデータを収集した。その結果、祖父母世代は親世代のサポート役であるという意識はあるが、現代の子育て知識は正しく理解していないことが示された。この結果は、2022年5月の保育学会で発表をする。タイトルは「孫育ての現状と課題(2)-育児に関する意識からの検討―(小川・杉山・榊原)」「孫育ての現状と課題(3)―祖父母世代の孫育てに対する態度―(杉山・榊原・小川)」で発表した。この結果は次年度の講座内容に反映させる。 12月には保育者養成校の学生に、子どもの頃に祖父母世代から教えてもらった遊びを質問紙調査した。その結果、家の中でできる遊びや、いつでもどこでも気軽に楽しめる遊び、草花を使った遊びを祖父母と体験していた。また、祖父母世代は子育て世代にあたる保護者の心の拠り所となり得ることもわかった。この結果は2022年5月の保育学会で「孫育ての現状と課題(1)-祖父母から教えてもらった遊び-(榊原・小川・杉山)」として発表し、「地域における孫育ての取り組み―地域子育て支援拠点の構築に向けて―」(榊原・杉山・小川:高田短期大学育児文化研究第17号、53-60.)にまとめた。 また、国内外の孫育てに関する研究を概観し、「展望:祖父母-孫関係に関する心理学的研究-高齢者の精神的健康および主観的幸福感に着目した国内外の研究-」(杉山・二宮:愛知学院大学総合政策研究科紀要24(1)1-10.)の紀要論文にまとめた。 その他、「孫育ておよび祖父母-孫関係に関する研究の動向-文化的背景からの検討と国際比較研究-」(杉山・榊原・小川:瀬木学園紀要19巻,12-20.)では、比較的祖父母研究が進んでいる西洋諸国(アメリカとヨーロッパ)と南米地域の研究を概観し、各国の祖父母と孫の関係を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度には祖父母世代が参加する子育て支援広場の企画を立てる予定である。そのために2021年度は実際に地域の子育て支援に祖父母世代が参加している自治体へ調査を行う予定であった。しかし、コロナウイルス感染症の蔓延のため、県外への視察がかなわなかった。そのため、祖父母が参加している子育て支援を実施している団体への聞き取り調査ができていない。Elderly Sitter Program (ESP)の講座内容などは固まりつつあるが、祖父母世代による子育て支援広場運営上の問題点の洗い出しが不十分な点が計画から遅れている点である。 また、研究代表者の所属変更により、計画書作成の際に利用予定であった子育て支援広場が利用できなくなり、新たに広場を開設することになった。広場の運営がゼロスタートとなり研究計画の修正が必要となったため、実施計画を遅らせるほどではなかったが、スムーズな研究計画実行ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は新たに子育て支援広場を開設し、次年度の祖父母世代による子育て支援広場開設にむけて、フィールドを整える。また、実際に祖父母世代が活躍している子育て支援広場の視察に行く。その他、2021年度の研究結果をもとに、Elderly Sitter Program (ESP)の具体的な回数や内容を精査し、実施計画を立てる。 2023年度はElderly Sitter Program (ESP)を開講し、広場スタッフを育成する。 2024年度にはElderly Sitter Program (ESP)修了者に実際に広場を運営してもらった際の課題を修正していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していた県外への視察ができなかったこと、参加予定学会がオンラインであったため、予定よりも旅費を使用しなかった。また、視察先に支払う謝礼も計上していたが、発生しなかった。さらに、子育て支援広場開催に必要な子どものおもちゃや記録媒体の備品を年度内に購入することができなかったため、当初予定よりも2021年度の使用額が少なくなった。 2021年度に実施できなかった研究計画(視察・子育て支援広場の備品費購入)はすべて次年度の実施予定のため、次年度に繰り越して使用予定である。
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