研究課題/領域番号 |
21K02358
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50213442)
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研究分担者 |
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00331679)
喜友名 菜織 兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (30780035)
西村 洋平 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90723916)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者 / フレイル / 世代間交流 |
研究実績の概要 |
2020年に報告された2018年度における児童養護施設入所児童の入所理由をみると、「養育者からの虐待」が45.2%(前回は37.9%)、「何らかの障害を持つ」は36.7%(前回は28.5%)と年々増加しており、専門的なケアの必要性が指摘されている。高齢者におけるフレイル(虚弱)をいかにして予防するかについても喫緊の課題として重要視されている。本研究は、これら両課題の解決を目指すものであり、高齢者による児童養護施設入所児童への種々の生活支援活動(読書活動、園芸活動、伝統芸能の伝承等)が、両者の心身の健康、および児童の対人コミュニケーション行動に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている。一方で、2021年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う感染対策として調査研究に協力予定であった児童養護施設の協力が延期となり、児童に対する生活支援等の実施効果に関する調査を行うことができなかった。そこで、基礎的資料として、地域在住高齢者におけるフレイルの実態について明らかにすることを目的として調査を実施した。研究参加者として、兵庫県A市に在住する65歳以上者82名を選択した。無記名自記式調査アンケートを配布し回収を行った。調査内容は、年齢、性別、居住形態、 既往歴、居住形態、主観的健康感、老研式活動能力指標、食事の状況、食品摂取の多様性得点、GDS、基本チェックリスト、社会関連性指標等とした。分析の結果、9.3%がフレイルに該当し,80歳以上になると20.9%がフレイルに該当していた。先行研究と比較して該当率は低いことが示唆された。新型コロナウイルスの感染状況を注視しつつ、今後、児童養護施設の入所児童との世代間交流事業を実施し、児童の心身の健康度、および高齢者のフレイルの実態についてより詳細な分析を行っていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究を十分に進捗させることができなかった。具体的には、4回目の緊急事態宣言が解除された10月初旬以降に、児童養護施設への調査の実施を準備したが、その後、1月9日より3月21日までまん延防止等重点措置が発令されたことから入所児童に対する調査は見合わせることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、児童養護施設入所児童に対する高齢者による生活支援を進展させたいと計画している。児童養護施設入所児童の心身の健康、生活行動に及ぼす影響について調査研究を進めたい。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は収束を見ておらず、研究参加者の感染予防、健康を最優先して調査を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、調査研究に対して協力の意向を得ていた施設において予定していた調査研究を実施することができなかった。4回目の緊急事態宣言が解除された10月初旬以降に調査の実施を準備したが、その後、1月9日より3月21日までまん延防止等重点措置が発令されたことから児童養護施設入所児童に対する調査は見合わせることとなった。これら調査を2022年度に実施する予定である。2022年度は、児童と高齢者に対するアンケート調査等を実施する予定であるが、調査用紙、調査謝金、旅費(研究成果を発表する際の出張等)等の支出を予定している。
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