研究課題/領域番号 |
21K02359
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
伊勢 慎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (30554076)
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研究分担者 |
小山 憲一郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (80620880)
中原・権藤 雄一 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (60573764)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アフターコロナ / 保育士 / 心理社会的支援 / ストレスマネジメントプログラムの作成 / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、コロナ禍における保育士を対象とした調査、研究を行っており、アフターコロナにおける保育士の新しいメンタルヘルス対策の実行手法について検討することを目的としている。 2023年度は、コロナ禍において離職をすることなく働き続けた保育士を研究協力者として、2020年度から2023年度までの職務上のストレスを緩和してきた要因を検討することを目的にWebによる質問紙調査を行った。 Webによる質問紙調査では、全国から300名の保育士のデータを得た。質問項目は、保育士の勤務継続を支える尺度(JCSF)(伊勢、小山、2023)、COVID-19診療に従事する医療者のストレスを検出する評価尺度(TMDP)を保育士用に一部文言を変更したもの、およびK6を用いた。JCSFは、保育士の勤務継続を支える要因を居場所感とスキルアップサポートから明らかにするものである。またTMDPは、保育士向けに一部文言を変更し使用することについて著作者の許可を得ている。いずれの尺度も個人情報を取り扱うのもではない。TMDP は、2020年度から2023年度の1年間毎を想定させて回答を得た。 相関分析の結果、K6は、JCSFと有意な負の相関、TMDPと有意な正の相関が得られた。今回の保育士のK6の平均点は6.4と、厚生労働省の2022(令和4)年国民生活基礎調査の全国平均と比較してかなり高い得点を示した。その後、JCSFと3年分のTMDPのデータを基に、共分散構造分析を実施した。その結果適合度の良いモデルが得られ、JCSFの下位因子である「職場における居場所感」がCOVID-19に関する社会的ストレスを直接低下させることを媒介して、感染への恐怖を緩和することがその後3年間続いてきたことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの収集は概ね計画通り行えているが、分析結果を用いたアフターコロナにおける保育士の新しいメンタルヘルス対策の実行手法の検討において遅れている。 2024年度は、保育士の心理社会的支援の在り方を早急に検討を開始し、効果研究を実施する。今後もコロナ禍のような感染症は継続、または繰り返す可能性もある中で、新たな保育士のメンタルヘルス対策を提案したい。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍において離職をすることなく働き続けた保育士の職務上のストレスを緩和してきた要因の分析結果を踏まえ、新たなメンタルヘルス対策を検討し、保育現場において効果研究を実施、検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析結果を用いたアフターコロナにおける保育現場の保育士の新しいメンタルヘルス対策としての心理的支援の在り方を検討が遅れており、その実施、分析において必要となる。また、本研究の知見を国際学会において発表ができなかったため、次年度使用額が生じる。保育職におけるコロナ後の各国の情報を引き続き収集するとともに、可能な限り国際的に発表する計画である。
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