研究課題/領域番号 |
21K02368
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
小宅 理沙 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教 (50523536)
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研究分担者 |
安田 誠人 大谷大学, 教育学部, 教授 (00342105)
上續 宏道 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (40331657)
中 典子 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授(移行) (70369784)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性暴力 / 妊娠 / 出産 / 育児 / イスラム教 / 外国人 |
研究実績の概要 |
本研究は、ジェンダー論およびフェミニズムの共通課題である、人工妊娠中絶(以下:中絶)の権利擁護の立場が、性暴力による望まない妊娠を妊娠過程の終結と自明視することで、逆説的に被害者女性の性と生殖の自由「リプロダクティブ・フリーダム」を侵害する危険性に関し考察することを目的としている。 そしてこれらの課題は、well-being/児童家庭福祉領域における課題ともいえる。なぜなら、中絶選択要因の中の一つに、妊娠継続の先にある「育児」が影響していることも、これまでの申請者の研究から明らかとなっているためである。したがって、性暴力被害における妊娠終結の自明視の危険性を考察していく上では、生まれてくる子どもの「社会的養護」における社会制度・社会体制の考慮なしでは、被害女性の生殖の自由における提言はできないという立場にて、研究を進める予定であった。 これまでの研究実績としては、日本在住のイスラム教徒に対し、望まない妊娠をした被害女性に妊娠・出産・子育てに関するインタビュー調査実施の準備をしてきた。まず初めに、イスラム教に関する知識を得るため、文献研究を研究チームにて実施した。 性と生殖に対する女性の自己決定権が十分に認められていない状況において、中絶の権利擁護の立場は、性暴力による望まない妊娠を、妊娠過程の終結を自明視している。イスラム教徒においても、宗教上の理由により中絶を良しと考えないケースの場合性暴力による望まない妊娠であっても、妊娠過程の終結と直結しないこともある。 本研究では、この中絶の権利擁護の立場が、性暴力による望まない妊娠を妊娠過程の終結と自明視することによる「二次的暴力」「二次被害」に関し検討し、今後考察していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、当事者へのインタビュー調査を中心に展開していくものであるが、コロナ(COVID-19)の影響を受け、完全に計画通りに進んでいない部分も一部ある。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月7日に同志社女子大学を退職。 その後の所属機関はないため、科研費の応募資格を喪失する。 よって、科研費での本研究は終了となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記理由により、科研費残額は返還する予定である。
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