研究課題/領域番号 |
21K02371
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
オムリ 慶子 関西学院大学, 教育学部, 教授 (20193823)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フレーベル・メソッド / ユダヤ人幼児院 / 公教育省事務官ヴィットーレ・ラヴァ / アドルフォ・ピック |
研究実績の概要 |
「ローマにおけるユダヤ人幼児院改革 ー公教育事務官ラヴァの手紙からー」を教育学論究第13号に投稿した。論文の内容は、公教育省事務官であるユダヤ人ラヴァが、ヴェネツィアで幼稚園を運営しながらもフレーベル・メソッドを広めていこうとしているユダヤ人ピックに宛てた手紙を分析した。 ピックに宛てたラヴァの手紙は、1872年~1885年に至る。初期の手紙は、ラヴァがまだボローニャで、イタリア教授同盟ボローニャ支部が始めたフレーベル幼稚園にかかわり始めた頃から始まっているが、1年もたたないうちに公教育省事務官として首都ローマで働くようになった。当時のローマはまだ、イタリア北部の街よりフレーベル教育について知られておらず、ラヴァはフレーベル教育を導入しやすいと考えたユダヤ人幼児院の改革を目指した。しかしなかなか改革が進まず、ユダヤ人幼児院の改革の難しさがあった。改革の難しさは、具体的にどのようなところからきているのかはラヴァの手紙には書かれておらず、今後の研究に託すしかない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度はまだコロナの感染状況が依然として拡大していたため、イタリア教育省図書館に行くことが出来なかった。ラヴァの手紙は手元に保存しており分析することはできたが、ユダヤ人幼児院をフレーベル幼稚園としていくために必要なことは何なのかは手紙文からは明らかにすることはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
前述したように研究を進めるにあたり、ラヴァによるユダヤ人幼児院の記録が必要となる。ローマの教育省図書館で記録を撮ることが、この研究を進めるにあたって一番重要だと考えているため、実際にイタリアに赴き、ラヴァが教育省図書館に残したユダヤ人幼児院改革報告書の詳細を研究する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めるには現地での手紙文および教育省の報告書が必要であるが、イタリアのコロナ禍の影響で2021年度は研究費を使用するチャンスがなかった。 2022年度はイタリア渡航が可能になったため、教育省の図書館で資料収集する予定であり、そのための渡航費用として使用する予定である。
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