研究課題/領域番号 |
21K02374
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研究機関 | 中部学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
Dalrymple 規子 中部学院大学短期大学部, 幼児教育学科, 教授 (20469480)
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研究分担者 |
高橋 睦子 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50320437)
藤田 一郎 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (60228989)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳幼児精神保健 / 保育者現任研修 / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
令和3年度は初年度であり、保育における乳幼児精神保健の位置づけを探るために、保育現場での研修において、乳幼児精神保健の内容がどの程度網羅されているかを実態調査した。具体的には、現任研修の内容に関する質問紙を作成し紙面及びインターネットでの幼稚園・保育所・認定こども園等保育施設への調査を実施した。また、研究の進捗状況を日本乳幼児精神保健学会で発表した。 実態調査のために、保育の質と保育者研修に関する先行研究を精査しつつ、独自の質問項目を作成した。質問紙は選択式と自由記述式を組み合わせた。選択式の質問項目は(1)回答者・組織に関する事項、(2)研修実施母体(自治体・関係団体・園内等)、(3)研修の種類(保育技術・専門的内容・愛着理論・発達理論・関係性理論・事例検討等)、(4)研修に含まれていた内容、(5)研修受講によって向上したと思われる保育者の能力(技術・乳幼児親理解・観察力・内省力)、とした。また、自由記述式の質問項目は、(1)研修受講による自分自身の保育への影響、(2)今後開催される研修会で受講したい内容、とした。 調査は次のように実施した。対象園は、全国の保育施設-幼稚園・保育園・認定こども園、また、小規模保育所や家庭的保育室、事業所内保育所などから無作為に1000の施設を抽出し、質問紙は2022年2月1日~2月3日に発送した。回答方法については、紙面・Google Formsのどちらかを選択できるようにし、2月28日までに回答するよう依頼した。アンケートの回収は、Google Formsでは40施設、郵送では181施設であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染が、乳幼児にも広がり始め、休園するところも増加していたため、どの時期にアンケート調査を行うかが難しい判断ではあった。しかし、研究代表者の周辺の保育施設や保育者の様子を見ながら、本年度で行うことが可能と判断し、実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、回収したアンケートの分析をまず行う。その分析結果については、5月の日本保育保健学会での発表、11月発刊予定の日本乳幼児精神保健学会学会誌への投稿を予定している。令和5年度開催予定の世界乳幼児精神保健学会にも、研究成果を発表する予定である。また令和4年度にはその他に、乳幼児精神保健研修プログラムのデザインのための研究会(講演会・ワークショップ)を海外の研究者・専門家を招聘してハイブリッド形式で行う予定である。令和4年度から5年度にかけて、その報告書を作成する。 令和5年度には、保育現場における乳幼児精神保健研修プログラム試案(基礎講座)を完成させ、試験的に岐阜県内公立保育所で行う予定である。試験的に実施したものについては、参加者の保育士にアンケートを行い、プログラム内容を改訂する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度に海外で開催された学会が、世界的なコロナ感染の状況でオンラインとなったため、海外旅費が未使用となったこと、また国内において、研究打ち合わせも、同様にzoom使用となったことがある。使用計画としては、令和4年度に乳幼児精神保健学会研修プログラムのデザインのための研究会での講師をシンポジウム形式にして複数名とし、また、同時通訳に予算を回す予定である。
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