研究課題/領域番号 |
21K02377
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
益子 洋人 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90710038)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 葛藤解決スキル / 児童生徒 / 教材開発 / 効果検証 / 社会実装 |
研究実績の概要 |
当事者同士が対人葛藤(もめごと)をお互いに納得できるように(すなわち統合的に)解決する心理教育プログラムは世界各地で開発され,心理的,社会的適応に貢献することが示唆されているが,どのプログラムもスキルの活用に向けた動機づけを引き出すことには焦点を当てていない。これに対し,益子(2020)は,プログラムに家族や地域の要因を導入することによって,動機づけを高められる可能性を示した。そこで,家族や地域の要因が動機づけを促進することを確認した上で,家族や地域の支援機関でも活用しやすく効果的な教材は何かを段階的に検討する。そして得られた知見を包括し,本プログラムの社会実装に向けた効果研究を行う。 2021年度の目的は,児童生徒がもめごと解決のためのスキルを活用しようとするかどうかについて,スキルの習得度だけでなく,対話によるもめごと解決を育む環境で育ったか,もめごとを対話によって建設的に解決するモデルがいたか,もめごとを対話によって解決するという考えを相手と共有していると思えるかという三つの要因も踏まえて明らかにすることであった。 学校の規模や地域の特徴,学力レベルなどの異なる3つの中学校に調査を依頼し,約300名の生徒から回答を得られた。また,次年度以降の研究で使用予定のテキスト教材,オンライン教材の素材を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究計画では,2021年度には小中高校生それぞれ約300名程度に調査を実施する予定であった。しかし,依然として新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず,繰り返し緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発出され,依頼先の学校のスケジュールが定まらなかったことや,学級,学年閉鎖などにより児童生徒に協力を募れなかったことが重なり,小学校,高等学校への依頼や調査の実施が困難とあった。そのため,小学校,高等学校への調査の実施が叶っていない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
まず,2021年度の研究の遅れを取り戻すため,小学生と高校生,それぞれ約300名への調査を遂行する。 また,当初の研究計画では,2022年度の目的は,テキスト教材による教育効果の検討を行うことであった。そのため,第一に,すでに開発してある素材を活用してテキスト教材を完成させる。第二に,幼小中高校生を養育する家族40世帯程度と,学校3校,児童会館3事業所に対し,テキスト教材の教育効果を検討するための調査を依頼する。各家族成員には教育効果を問う心理尺度への回答を依頼する。教師や児童会館のスタッフには前述した尺度に加え,教材の使いやすさや,児童生徒のもめごと解決を支援する際の困難さなどについて尋ねる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では,2021年度には小中高校生それぞれ約300名程度に調査を実施する予定であった。そのため,おもに大規模データの分析に耐えうる高性能PCと,統計分析用ソフトの購入を予定していた。しかし,依然として新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず,繰り返し緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発出され,依頼先の学校のスケジュールが定まらなかったことや,学級,学年閉鎖などにより児童生徒に協力を募れなかったことが重なり,小学校,高等学校への依頼や調査の実施が困難とあった。そのため,小学校,高等学校への調査の実施が叶っていない状況にある。このように,データが得られておらず,未だ分析にまで至っていないことや,半導体不足による高性能PC等の入手の困難さを鑑みて,初年度の購入を見送った。 現在は一部のデータが得られており,今後も増える見通しであることから,分析の必要が生じる予定である。そのため,初年度に使用する予定だった使用額は,当初の予定通り,大規模データの分析に耐えうる高性能PCと統計分析用ソフトの購入のため,次年度に使用する予定である。
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