研究課題/領域番号 |
21K02378
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
野口 康彦 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (30434541)
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研究分担者 |
野沢 慎司 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40218318)
青木 聡 大正大学, 心理社会学部, 教授 (40327987)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 親の離婚・再婚 / 祖父母 / PAC分析 / 子どもの養育 |
研究実績の概要 |
本研究では、親の離婚・再婚を経験した子どもの養育と発達において、祖父母の支援と関与のあり方がどのような影響を及ぼすのかについて、量的調査と質的調査、そして支援団体のスタッフへの聞き取り調査等により解明する。計画をしている研究項目は、①親の離婚・再婚を経験した子どもと祖父母との交流の実態に関する量的調査、②当事者である子どもへのPAC分析による質的調査、③離婚・再婚を選択した親が実父母に期待する支援ニーズに関する量的調査と支援団体のスタッフへの聞き取り調査、④諸外国における離婚・再婚後の子どもと祖父母との交流に関する調査である。 令和4年度においては、令和3年度に実施した量的及び質的調査から得られたデータを分析し、学会誌への投稿と関連学会での発表を行った。2022年10月29日~30日に開催された第5回日本離婚・再婚家族と子ども研究学会において、量的調査の結果を踏まえて、「親の離婚を経験した子どもと祖父母との交流に関する調査結果」の題目で発表を行い、活発な意見の交換を行った。また、質的調査の結果については、「親の離婚を経験した子どもと同居祖父母との関係に関する探索的研究」という題目にて、関連の学会誌に投稿をしており、現在は査読中である。また、研究分担者の大正大学・青木聡教授が第1著者となり、連名にて、「コロナ禍における面会交流の実態―緊急事態宣言(第1回目)が面会交流に及ぼした影響―」を大正大学紀要に公表した。また、米通信社Bloombergの記者による「日本の親権制度やその子どもへの影響」に関する取材を受けた際には、本研究の調査結果の一部を伝えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、量的調査の結果については、第5回日本離婚・再婚家族と子ども研究学会において公表を行った。質的調査の結果による学会誌への投稿については、予定通りに実施ができている。また、メディアからの取材への対応は、科研費の広報活動とも連動するものである。 だが、支援団体のスタッフへの聞き取り調査と当初予定していた韓国への離婚・再婚後の子どもと祖父母との交流に関する調査については、新型コロナウィルスの影響を鑑みて、延期した。上記の理由により、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
①量的調査の結果の公表:量的調査の結果については、関連の学会誌あるいは学部の紀要に投稿するため、執筆作業を行う。 執筆を進めている。 ②質的(個別)調査の公表:審査が継続している論文については、採択に向けて準備を進める。 ③諸外国における離婚・再婚後の子どもと祖父母との交流に関する調査:今年度は、8月にノルウェー、そして11月に韓国を訪問する予定である。現地の関係者とも連絡を取りながら、視察のための準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により、韓国への視察を延期するなどによって、旅費及び人件費・謝金に関する支出が少なかった。令和5年度は、延期した韓国への視察を11月に予定している。
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