研究課題/領域番号 |
21K02384
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
中澤 謙 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (30254105)
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研究分担者 |
渡部 琢也 会津大学短期大学部, 幼児教育・福祉学科, 講師 (30410913)
西原 康行 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (50339959)
久田 泰広 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (70254084)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | VRアイトラッカー / 保育者 / みえ / 同時多発的状況 |
研究実績の概要 |
最終年度である今年度には、360°カメラを用いて保育実践の場を記録し、アイトラッカーを備えたVR機器でその場面を再現・視聴することで、保育現場の臨場感を再現しつつ、教師と学生の視線の特徴を捉えることを試みた。このアプローチにより、保育室の同じ時間と空間を共有し、同じ場面での注意の向け方を比較することが可能となった。これにより、どこをどのように「みて」いるかと、その場の状況をどう認識しているかという「みえ」を効果的に明示化・共有化する方法の開発に取り組んだ。 具体的には、保育者と保育者養成校の学生にVR上で視聴して貰い,保育場面を子どもの遊びの文脈に応じて8つに分け、各場面の視線の特徴を比較した。結果として、子どもの遊ぶ場所や相手が同時多発的に入れ替わる状況では、学生は保育者に比べて多くの子どもに注意を向ける傾向があった。また、視聴後のリフレクションにおいて「追いつけない」「目がキョロキョロ」といった学生の語りが見られ、こうした視線方略の特徴が反映されていることが示唆された。一方、保育者は注意を絞り込み、上級生になるほど視る対象を絞る傾向が見られた。保育者は特定の対象に注意を集中させ、認知リソースを効率的に利用していることが示された。 今後の課題としては以下のことが挙げられる。VR視聴では視点が360°カメラの設置位置に限定されるため、視点を自由に移動できず死角が生じる点がある。また、今回の試みでは少数の参加者による比較であるため、統計的な検定を行っていない。そのため、結果を広く一般化することが難しいという問題もある。さらに、視線の動きを定量的に捉えた一方で、子どもの姿や教室での出来事の解釈、その背景にある観点を質的に捉えることができていない点も課題として挙げられる。
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