研究課題/領域番号 |
21K02391
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
及川 留美 東海大学, 児童教育学部, 准教授 (60788800)
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研究分担者 |
粕谷 亘正 和光大学, 現代人間学部, 准教授 (00559784)
春日 保人 聖徳大学短期大学部, 保育科, 准教授 (00736663)
岩崎 淳子 大東文化大学, 文学部, 講師 (10620205)
金 ミンジ 聖徳大学短期大学部, 保育科, 准教授 (40461800)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | こども園でのフィールドワーク / 地域への親しみを育む保育実践の構造 |
研究実績の概要 |
2021年度に認定こども園に対して実施した質問紙調査の結果から、認定こども園では各園が工夫をしながら「地域」を保育実践に取り入れていることが明らかになった。しかしながら、このような地域の活用は、幼保連携型認定こども園教育・保育要領に記載されているような「地域に親しみをもつ」ことをねらいとするならば不十分であると考えられた。それは他のねらいを達成するための手段として、周辺の自然などの「地域」を活用しているにすぎないからである。課題研究における質問紙調査の結果は、幼保連携型認定こども園教育・保育要領における記述との関連から論文にまとめ公表した。(保育現場において「地域」をどのように捉えるか―幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説における記述と質問紙調査から-:『未来の保育と教育 第9号』2022.9) 2022年度は、地域への親しみを育むための保育実践の構造を明らかにすることを目的とし、そうした実践を行っているこども園でフィールドワークを実施した。7月に栃木県にある幼保連携型認定こども園、9月に沖縄県にある認定こども園と熊本県にあるこども園計3園それぞれでフィールドワークを実施した。フィールドワークにおいては、保育者のインタビュー調査と保育実践の観察を行った。 フィールドワークの結果から、地域への親しみを育む保育実践の構造は、今回フィールドワークを行った3園ともその特徴が異なることが明らかになった。構造の違いは、園の位置する地域の地域性や園の保育者が地域をどのようにとらえるかということによって生じるものであると考えらた。フィールドワークより得られた保育実践の構造については、第7回保育者養成教育学会(2023年3月開催)、日本保育学会第76回大会(2023年5月開催)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画において、研究開始年度の2021年度に質問紙調査とフィールドワークを実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でフィールドワークを実施することができなかった。2022年度に関しては、フィールドワークを実施できたものの、やはり新型コロナウイルスの影響があり、保育場面の観察等について制限があった。 本年度は最終年度であり、入手データをもとに保育実践の評価指標を作成する予定であるが、現在のデータで保育実践の評価指標の作成が可能であるかどうか、今後検討を重ねていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果から明らかになったことについて、2023年5月に開催される保育学会にて自己シンポジウムおよびポスター発表、7月にこども環境学会で発表を行う。 研究データの収集に関しては、7月に沖縄県地区において、追加のフィールドワークを実施する予定である。 2023年度は最終年度であるため、月1回の研究会を開催に加え、現場保育者を交えた研究会を実施し、これまで集積したデータの検討を行う。データの検討結果から、地域への親しみを育むための評価指標を作成していくことを予定している。 2023年度の研究成果は、2024年3月の保育者養成教育学会および2024年度に開催される保育学会にて発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会旅費として計上していたが、学会がオンラインでの開催になったことにより、差額が生じた。
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