研究課題/領域番号 |
21K02400
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研究機関 | 洗足こども短期大学 |
研究代表者 |
石濱 加奈子 洗足こども短期大学, 幼児教育保育科, 教授 (00591190)
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研究分担者 |
野井 真吾 日本体育大学, 体育学部, 教授 (00366436)
鹿野 晶子 日本体育大学, 体育学部, 教授 (10759690)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 放課後児童クラブ / 唾液アミラーゼ濃度 / 不定愁訴 / 気分尺度 / 子どもの余暇 |
研究実績の概要 |
本研究は、小学生の余暇をより良いものにするために、余暇の過ごし方と心身の状況との関連を検討することで、その目的を達成しようとするものである。小学生の余暇を検討するとき、多くの児童が登録し、さらには登録数が年々増加している放課後児童クラブ(以下、児童クラブ)での心身の状況を検討することは喫緊の課題ともいえる。そこで、2023年度には児童クラブでの唾液アミラーゼ濃度、気分尺度、不定愁訴等の状況を明らかにすることを目的とした。 東京都と埼玉県に所在する児童クラブ4施設に登録しており、調査に同意した小学1~6年生99名を対象とし、各施設2~3日調査を行った。児童クラブ登所時、および降所時に唾液アミラーゼ濃度の測定を行い、同時に気分尺度および不定愁訴(疲労尺度)を質問紙にて回答を求めた。加えて、余暇の過ごし方と心身の状況について、各家庭にて質問紙への回答を求めた。 その結果、唾液アミラーゼ濃度の曜日の比較(目的変数に各測定値、説明変数に曜日、共変量に学年を投入した共分散分析)では、男子において月曜日の登所時が有意に高く、降所時はその差が確認されなかった。また女子では、いずれも曜日の差は確認されなかった。不定愁訴や気分尺度は、男女ともに曜日での差は確認されなかった。 男女別の登所時と降所時との比較(対応のあるt検定)では、男子では「からだが疲れる」が有意に高く、「元気がある(p=0.75)」「リラックスしている(p=0.72)」が有意ではないものの高い傾向であった。また女子では、唾液アミラーゼ濃度と「腰が痛い」が有意に低く、「リラックスしている」が有意に高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は、コロナ禍にてその進捗が遅れていたものの、昨年度は放課後児童クラブでの調査を行うことができ、子どもの余暇を包括的に検討するという目的をおおむね達成できていると考える。 しかしながら、これまでの結果をまとめ公表することが叶わず期間を延長したため、「やや遅れている」との判断とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、昨年度までにフィールド調査をおおむね終了することができた。今年度は、これまでの結果をまとめ、包括的に検討したうえで、学会発表と論文等で公表する予定である。8月に学会発表を予定しているほか、同時期に論文を投稿できるよう準備を進めているところである。
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次年度使用額が生じた理由 |
特に一昨年度まで、コロナ禍による調査の遅れが生じたことにより、論文投稿による費用が計上されなかったことが最大の要因である。今年度は、海外雑誌への論文投稿、学会発表のための旅費等にて使用することを予定している。
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