研究課題/領域番号 |
21K02406
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
中橋 美穂 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30291876)
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研究分担者 |
小池 美里 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (80626747)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子ども理解 / 観察法 / IECR-R |
研究実績の概要 |
「エビデンスに基づいた子ども理解のための観察法の開発-ICER-Rを活用して」研究の初年度である当該年度においては、①調査実施に向けての倫理審査の受審、②ICED-R(J)の作成、③研修教材(VTR)の作成に取り組んだ。 ①については、特に③研修教材(VTR)作成のためには欠かせないプロセスであり、大阪教育大学倫理委員会での審査において承認された。 ②については、ICER-Rの観察記録及び評価シートを日本の保育実践に応じた専門用語に修正し、それに合わせた記録用紙に転換することを試みている。そのために、まずは本研究の共同研究者のKishida Yuriko(岸田百合子)氏による講義及びワークショップにおいて、ICER-Rへの共通理解を行った。そして、日本語版作成に向けて、研究分担者の小池美里氏から保育実践に応じた専門用語へのアドバイスを得た。なお、ICER-Rのマニュアルの日本語版作成についても進め、双方の最終版作成に向けて継続して行うこととななっている。 ③については、研究代表者の中橋と研究分担者の小池美里氏で、試作的にいくつかのVTRを収集し、それを共同研究者のKishida Yuriko氏と3人で精査した。その際、一人の子どもに着目しながら5分程度の撮影を行うことを原則として共有するだけでなく、観察トレーニングに活かせるような動きや関わりのあるVTRとする必要があることが確認された。またa:自由遊びの場面、b:一斉活動の場面、c:生活活動の場面など3場面での撮影・編集(ビープ音の挿入など)を行いながら、教材(VTR)作成を継続して行うこととする。 次年度は、②,③を継続しながら、保育者と学生への研修実施に向けて取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、IECR-R(J)および研修教材(VTR)の作成までを実施する予定であったが、作成途中の段階である。 研究がやや遅れている最大の理由は、新型コロナウイルス感染症の影響である。 本研究において研修教材(VTR)の作成は重要であるが、それを作成するためには、幼稚園内での撮影活動が必須となる。しかしながら、感染予防や感染拡大防止のための園内への立入制限等があり、研究代表者の中橋と研究分担者の小池氏の撮影活動が思うように進まなかった。また子どもたちもマスク着用のため、研修に適した映像の収集が難しかった。さらに、共同研究者のKishida 氏の渡日がかなわなかったため、撮影した映像の精査においても順調に進めることが難しかった。 以上が、当該研究にやや遅れが出ている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度前半においては、令和3年度からの継続として、まず、現在進めているICER-R(J)の観察評価シート及び日本語版マニュアルの作成を、研究代表者の中橋と共同研究者のKishida 氏で試み、日本の保育実践の専門用語と対応しているかを研究分担者の小池氏より助言をもらいながら進める。もう一点は、研修教材(VTR)のための動画撮影を、研究代表者の中橋と研究分担者の小池氏で行い、研修教材に編集する。その後、共同研究者のKishida 氏と共に精査を行い、3場面で各2本以上の教材作成を目指す。 令和4年度後半においては、共同研究者のKishida 氏に渡日してもらい、保育者及び教員養成校の学生を対象とした調査を開始したい。しかしながら、令和4年度も新型コロナウイルス感染症の影響により実施が左右されることが懸念される。調査の実施時期によっては、教員養成校の学生を対象にした研修のみに焦点化し、エビデンスに基づく保育実践サイクルを伴う保育者対象の調査は令和5年度に延期することも検討する。また共同研究者のKishida 氏の渡日が中止となった場合は、オンラインによる調査の実施の方向も検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染症の影響により、①予定していた共同研究者のKishida 氏の渡日が中止となったこと、②研修教材の作成が思うように進まなかったため作成協力金の支出がなかったことである。次年度は、①は後半に計画し,②は前半から取り組みを進める計画である。
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