• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

学童期から思春期の子どもの小児がん医療における意思形成過程の解明と支援方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K02409
研究機関福井県立大学

研究代表者

道信 良子  福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (70336410)

研究分担者 山本 雅樹  札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80404664)
五十嵐 敬太  札幌医科大学, 医学部, 兼任助教 (70580017)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードChild / Decision Making, Shared / Neoplasms / Leukemia / Psychology / Anthropology, Cultural / Observation / Parents
研究実績の概要

今年度は引き続き、学童期に小児がんを発症した子どもたちが、学童期から思春期において、自分に対する医療や自分の身体に対してどのような過程を経て、自分の小児がん医療に対する意思を形成していくのかを明らかにするための現地調査を行った。その結果をふまえて、小児がん医療に学際的な子ども学の視点を取り入れ、小児がん医療における子どもの意思決定を支援していくための理論的枠組と方法論を創出し、複数の学会や論文において公表した。本研究の仮説である「医療者や家族の働きかけと子どもの回復する力との相互作用によって、子どもの小児がん医療に対する意思と誇りは育まれる」ことを資料で証明し、さらにその具体的な過程を明らかにすることができた。
現場に橋渡しするための研究として、病院における医療の意思決定と学校や地域における健康づくりの意思決定をつなぎ、小児がんを経験した子どもたちが地域に戻り、他の子どもたちと共に健やかに成長できるようなヘルスケアの意思決定を支援するための資源の開発を行うための、子どもや親に対するインタビューを行った。子どもに向けた「ヘルスケアの意思決定」の教材を開発するための資料を収集できた。
初年度の調査を継続し、資料を質的に分析した結果は複数の学会や論文によって公表した。最終年度に予定していた、本研究で導いた意思決定支援の理論と方法論とヘルスケア資源の有効性について、世界の研究者・医療者と議論し、国際社会に発信することについて、今年度から始めることができた。成果は下記(10.研究発表)の通りである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終年度に予定していた次の活動を除いては、順調に進展している。①研究参加者の子どもと家族を対象に、病院でモデル教材を使った意思決定支援の学習会を行う。②学習会における活動状況や態度の観察、学びのプロセスや成果を計画的に集約するポートフォリオなどを用いて、学びの効果を評価する。

今後の研究の推進方策

研究参加者の子どもと家族を対象に、病院でモデル教材を使った意思決定支援の学習会を行う。学習会における活動状況や態度の観察、学びのプロセスや成果を計画的に集約するポートフォリオなどを用いて、学びの効果を評価する。子ども・家族・医療者が、双方向で開かれた関係性をつくり、自由な対話やディスカッションも取り入れて、子ども支援の新たな価値の創造をめざす。さらに、子どものプライバシーを守りつつ、子どもの学校や地域においても教材を共有し、その共有を通して、子どものヘルスケアにおける意思決定を支えるコミュニティネットワークを構想・提案する。本研究で導いた意思決定支援の理論と方法論とヘルスケア資源の有効性について、世界の研究者・医療者と議論し、国際社会に発信する。

次年度使用額が生じた理由

意思決定支援モデル教材の開発が遅れ、意思決定支援のモデル教材を使った学習会を実施することができなかった。使用計画としては、モデル教材を開発するための基礎調査の結果を国際雑誌で公表し、予算内での教材開発・学習会を行う。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Long-lasting relationships among parents and their sense of solidarity in pediatric cancer treatment for their children: A longitudinal observational study on shared decision-making2024

    • 著者名/発表者名
      Michinobu R, Igarashi K, Iesato K, Takebayashi A, Mikami T, Sakai Y, Hori T, Tsutsumi H, Yamamoto M.
    • 雑誌名

      Journal of Center for Medical Education, Sapporo Medical University

      巻: 15 ページ: 1-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヘルス・エスノグラフィの資料収集―コロナ禍の「調査の空白」の意味2024

    • 著者名/発表者名
      道信 良子
    • 雑誌名

      保健医療社会学論集

      巻: 34(2) ページ: 8-12

  • [学会発表] 小児がんの子どもの意思決定支援を目的とした長期観察研究2023

    • 著者名/発表者名
      道信良子,五十嵐敬太,山本雅樹
    • 学会等名
      第5回AYAがんの医療と支援のあり方研究会学術集会
  • [学会発表] ヘルス・エスノグラフィにおける資料蒐集――コロナ禍における調査の機会の空白が意味すること2023

    • 著者名/発表者名
      道信良子
    • 学会等名
      第49回日本保健医療社会学会大会シンポジウム講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 子どもが小児がんを生きる――子どもの生命の視点から2023

    • 著者名/発表者名
      道信良子
    • 学会等名
      第21回日本小児がん看護学会学術集会特別講演
    • 招待講演
  • [学会発表] ヘルス・エスノグラフィ――インタビューの視点から2023

    • 著者名/発表者名
      道信良子
    • 学会等名
      日本質的心理学会・研究交流会講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 「ともにある」から生まれる――専門分野をこえた方々やフィールドの人々と2023

    • 著者名/発表者名
      道信良子
    • 学会等名
      北陸人類学会研究会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi