研究課題/領域番号 |
21K02413
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
高野 貴子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)
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研究分担者 |
高木 晴良 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (90187930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 流産 / 流産胎児 / 染色体分析 / 母体年齢 / トリソミー / 倍数体 |
研究実績の概要 |
研究を始めるに当たり、共同研究を行う三施設の研究倫理審査の申請を行った。東京家政大学倫理審査承認(2021-12)、株式会社エスアールエルの親会社のH.U.グループの倫理審査承認(21-59)と、東京医療保健大学の実施許可を得た。次いで三施設間で共同研究実施の契約を締結した(甲:高野貴子;東京家政大学家政学部児童学科、乙:高木晴良;東京医療保健大学立川看護学部、丙:北川理恵:株式会社エスアールエル染色体解析課)。締結した共同研究期間は2024年3月31日までである。 全国の病院からエスアールエルに集積している流産胎児検体の染色体分析結果の個人情報を完全に削除し、対応表は研究者とは別のエスアールエル遺伝子病理部の個人情報保護管理責任者が管理している。現在までのところ、データ入力は2000年11月から2019年までの13年間分を終了した。入力データ総数は11,608件、欠損値を除いた分析データ総数は11,245件で、基礎的な統計解析を行った。母体の平均年齢は34.8±5.5歳であり、検査時平均妊娠週数は11.4週だった。染色体数、性染色体で区分すると、染色体数46の4,909件のうち正常性染色体を有する個体は4,853件で、正常染色体核型の流産胎児は全体の約43%であった。染色体数45のモノソミーは691件、そのうち45,X(ターナー症候群)は625件(約5.6%)である。染色体数47のトリソミーは4,713件(約42%)にのぼり、染色体数48は359件だった。染色体数69の三倍体は286件、近三倍体(染色体数67~73)を含めると359件(約3%)となった。染色体数92の四倍体は143件、近四倍体(染色体数90~96)を含めると176件であった。 さらに2021年までの追加データ入力を継続し、詳細な統計解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に先立ち共同研究を行う三施設の研究倫理審査の承認を得て、三施設間での共同研究実施の契約の締結に時間がかかった。しかし13年間分の流産胎児検体の染色体分析データ11,245件の統計解析に着手することができた。したがって概ね順調に研究が進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
解析対象検体数を増やし、詳細な統計解析に進む。母体年齢で層別化し、トリソミーや倍数体の加齢による傾向等を分析する。既報文献を調べ、過去の流産胎児染色体の染色体異常データとの比較検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は研究開始準備に時間がかかり、実質的な経費があまり発生しなかった。新型コロナ禍の影響で、学会や研究打ち合わせもほとんどオンラインで行い、宿泊費や交通費が不要であったため、次年度使用額が生じた。 我々の流産胎児染色体分析結果と過去の流産胎児染色体データとの比較を行うために、図書館に所蔵のない学術論文を取り寄せるコピー代・郵送料、書籍などの購入が必要となる。PC外付けメモリなどのPC周辺機器、書類整理の人件費、情報収集のための出張費、学会参加費と宿泊代及び交通費が必要である。
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