研究課題/領域番号 |
21K02428
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐野 比呂己 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60455699)
|
研究分担者 |
大村 勅夫 札幌国際大学, 人文学部, 准教授 (00852328)
花坂 歩 大分大学, 教育学部, 准教授 (20732358)
菅原 利晃 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20826250)
本橋 幸康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80386549)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 柳田国男 / 多文化共生社会 / 国語科単元 / 高大連携 / 記録 / 昭和30年代 / 山田秀三 |
研究実績の概要 |
今年度は、柳田国語科教科書における高等学校2年次の単元「事実と記録」について、その構成を提示し、その特徴、学習のねらいを明らかにした。単元所収教材についてもその成立過程、内容について整理した。加えて、1年次の単元「随筆・随想」「生活と記録」2年次の単元「読書」との単元相互の関係も明らかにした。 昭和30年代の読解教材の位置づけについては、敗戦直後の混乱、当惑から創造と発見へと足がかりを見つけ始めた国語教育の様相をとらえることができた。 これらの単元をつなぐものが読書であり、単元「事実と記録」については「特異なる事実の記録」は学習者の興味・関心を喚起するものであり、読書に誘う機縁になるという。学習者にとっては普段とは違った種類の書物に興味を持つことに意味があり、単元での学びを通して、事実への興味、事実の探究という視座を獲得させることが肝要であることを明らかにした。ある事実がどのような事情から成立しているのか、想像し、考えることにより、学びはさらに充実し、理解・鑑賞・批判・表現の能力の伸長を諮ったのである。 さらに、柳田国男の著作からアイヌ文化に関わる記述に着目し、多文化共生社会の構築の視座から、高等学校教員と学習会を行い、専門的知識の共有を図った。その上で多文化共生社会の視座からアイヌ語地名ついての教材化、アイヌ民話を中心とした単元構想についても検討した。 今年度の研究成果は、学術雑誌に3編の論文が掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によりコミュニケーションが十分にとれず、研究スタートの計画について十分に共有することができなかった。 また、授業検討についても、実際の国語教室訪問がかなわず、研究が滞った。
|
今後の研究の推進方策 |
共同研究においてはリモートを積極的に活用していく。 柳田国語科教科書におけるこれまで検討していない単元、及び単元「生活と記録」「事実と記録」所収教材について研究を進めていく。 また、これまでの研究成果を実際の国語教室において実践してもらい、検討を行う。 多文化共生社会の構築の視座から、アイヌ文化について高等学校教員と学習会を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により研究分担者・研究協力者とのコミュニケーションが十分にとれず、研究スタートの計画について十分に共有できず、連携が図れなかったため旅費等の支出ができなかった。加えて、資料収集調査等も緊急事態宣言等の影響で実施することができなかった。そのれに伴い、事務負担が少なくなり、謝金等の支出に至らなかった。 研究の遅れを取り戻すため、物品、旅費等、研究分担者・研究協力者と再確認を行い、支出する。
|