研究課題/領域番号 |
21K02433
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
坂口 京子 静岡大学, 教育学部, 教授 (60440591)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 言語力 / 認知形成 / 感性・感覚 / メタファー |
研究実績の概要 |
各教科・領域における言語力育成の実際を総括する視座から、カリキュラムのオーバーロード問題を解決するための言語活動の重点化、カリキュラムモデルと学習指導を具体化する研究である。研究対象を各教科・領域における先行研究(先行実践)とし、認知形成、感性・感覚、身体化の視点から、子どもの学びと、教師の学習指導(カリキュラム、教材(学習材)の選択、評価の時機と方法を記録・分析することで、小学校中学校の各教科・領域において重点化し系統化すべき言語活動は何かを明らかにするものである。ここでいう言語活動については、言語力育成において重点化すべき選択する・再出することの行為化において、聞くこと・見ること・読むこと(1~4年)、話すこと・語り合うこと(5~8年)、編集すること(9年~)という緩やかな系統性が見出されており、そのさらなる具体化が本研究の目的である。 研究3年度においては、研究2年度に引き続き、小学校中学校の実践分析を通して、仮説的においた3視点(認知形成、感性・感覚、身体化)の妥当性について検証を行った。研究協力校(中学校第1学年:7年段階)の文学作品を扱う国語授業においては、学習者にとって言語化が困難な状況において、対話を通しての考えの言語化・精緻化の過程が重要であり、その過程においてメタファーを駆使した事象の言語化や、メタファー表現を言い換えたりその抽象度を上げたりする過程が認められることが明らかになった。研究2年度において明らかになったメタファーの意味や機能、効果をメタ的に認知する国語科学習の一つの可能性として位置づけることができる。加えて言語力育成の完成段階として編集することについて学部における卒業論文指導について検討した。認知形成や感性・感覚ならびに身体化を伴った「経験」の意味を言語化する過程、「経験」の意味を再構成する上での編集段階の重要性について検討を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第3年度では、課題となっていた国内対象校での調査分析を研究協力小・中学校の国語の授業を対象として行ったが、国外の対象校への訪問がコロナ感染症への対応のため困難となった。研究進展のために分析する実践の対象を小中学校から拡大する対応を行っているが、総合的な分析・考察を経た仮説の検証は全体としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現段階で課題となっている先行研究の分析及び仮説の検証については、第2年度に行った調査の記録を分析するとともに、対象範囲を拡大して実施する予定である。国外調査については第2年度末から打合せは進めているが、具体的な日程の決定にまでは至っていない。交渉を継続するとともに、場合によってはこれまで公開されている授業記録等を対象として分析することも検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内の実践調査においては、研究協力校に必要な機器の購入を進められた。関係書籍についても収集は順調である。一方、国外の実践調査においては、対象校への訪問がコロナ感染症等の対応によって実現せず、予定どおり進められていない。最終年度においては、可能な限り訪問調査を進める予定である。
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