本研究は〈自分や社会にとっての古典の意義が分からず、生徒たちの学習意欲が低い〉という高等学校国語科の長年の課題を解決するため、次のことを行った。(1)〈実践的な場面で古典を活用する〉水準を含んだ古典読解構造のモデル化。(2)全国の高等学校で実践可能な授業モデル・評価指標の開発。成果は以下の通りである。(1)のモデル化では、特に間テクスト的な読みをもたらす「情報のリンク」能力の重要性を指摘した。(2)では「古典教材と自分自身とを関連付ける」ための「評価基準」、及び「古典との対話を生み出す」ための「授業モデル」「評価規準」、「教材選択の基準」についてそれぞれ開発した。
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