研究課題/領域番号 |
21K02448
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
榎本 ヒカル 相模女子大学, 栄養科学部, 教授 (00423517)
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研究分担者 |
田中 宏子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00324559)
亀崎 美苗 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00531336)
正岡 さち 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30194161)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 家庭科教育 / 住生活 / 住まい方教育 / WEB調査 |
研究実績の概要 |
自立と共生に必要な住まいに関する総合的な知識や知恵「住まい方知」要素を把握し、その知見を元にこれからの時代の生活ニーズに相応しい住生活教育の提案を試みるのが本研究全体の目的である。 2021年度はまず、本研究のベースとなる「家庭科を過去に学習した社会人を対象とした調査」データの単純集計を行った。次に2回に分けて行われた調査のデータを統合し、分析を行った。統合された分析対象者1200名の現在の居住地は全国に散らばっており、関東が約4割、関西が約2割、中部が約15%、それ以外の北海道、東北、中国・四国、九州・沖縄が約5~8%であった。対象者の75%以上が現在の居住地と小、中、高校の所在地とが同じ地方であった。小、中、高校における家庭科履修率はそれぞれ93.8%、80.9%、52.3%であった。中学、高校については世代によって履修率に有意差がみられた。住生活領域の履修については小、中、高校ともに男性の方が「受けた」ことをより多く覚えている傾向がみられ、特に小学校と高校は男性が有意に多かった。住生活領域の授業の関心について、「非常に関心があった」「やや関心があった」と回答した男性は68%であった。一方、女性は同選択肢への回答は55%と少なく、「あまり関心がなかった」と「関心がなかった」を合わせると4割近くを占め、男女で傾向が有意に異なった。また「住生活領域の授業が日常生活に役立ったか」どうかについては、男性の多くは「役立った」と回答し、一方、女性は3~4割が「あまり、ほとんど役に立たなかった」と回答した。 以上、家庭科の住生活領域で学んだ内容に対する印象や、関心のある無しなどに男女で差が認められた。家庭科の履修内容は世代によって大きく変化してきたことから、今後さらに世代間の分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既に2回に分けて実施した「家庭科を過去に学習した社会人を対象とした調査」結果の分析を行い、年度中に纏める予定であったが、完全には終わっていない。 また、「建設・住宅・不動産・インテリア関係職従事者を対象としたWEB調査」を実施する予定であったが、コロナ禍において社会や個人の住宅ニーズが大きく変わりつつあることを踏まえ、実施を見送った。タイミングを見計らって今後すみやかに実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、コロナ禍の社会情勢を踏まえながら予定している調査が実施できるよう、準備を進める。また、既に取得済みの調査データ分析を完了させ、未発表内容について2022年度内に公表する予定である。 なお、研究成果の一部は、2022年8月に埼玉大学にて行われる産業・情報技術等指導者養成研修にて「住まい・住生活と環境」のタイトルで公表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって個人および社会の住宅ニーズが大きく変化しつつあることを鑑み、予定していた調査を実施しなかったため次年度使用が生じた。当初の計画より実施が遅れている「建設・住宅・不動産・インテリア関係職従事者を対象としたWEB調査」および、今後実施予定の「家庭科を現在教えている教員を対象としたアンケート調査」で、これらの予算を使用する計画である。
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