研究課題/領域番号 |
21K02474
|
研究機関 | 共栄大学 |
研究代表者 |
伊藤 大河 共栄大学, 国際経営学部, 准教授 (40735073)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | SNS / インターネット / スマートフォン |
研究実績の概要 |
2023年5月に私立大学の学生307名を対象に「SNS等の利用に関する意識調査」と題した調査を実施した.この調査は、SNS等をどのような意識で利用しているのか、社会問題となった迷惑行為動画がどのように拡散していくのかを知っているのかなど、SNS等に関する情報流出経路の認識状況を把握することを目的として実施した調査である。その結果、社会問題となった迷惑行為動画の最初の投稿について、通常アカウントだと思う学生が半数近く(43.7%)おり、非公開アカウントを見たフォロワーから流出することを知らなかった学生が半数近くもいたため、適切な指導が必要であることが示された。この結果については学会発表を実施した上で論文を投稿し、掲載が確定している。 アニメーションを活用したe-learning教材の2作目については、中高生を対象にした「SNSに画像と動画をアップするときに気を付けること」をテーマにした動画教材を開発し、「動画投稿や配信のモラルを学ぼう!~少しの気遣いで素敵なSNSライフを~」と名付けた。この教材には、画像や動画に写り込む個人を特定できる情報に気を付けること、知り合いの書き込みから名前などの情報がわかってしまうことがあること、モザイク処理はAIを用いて加工前に近い状態に戻せること、複数のSNS等の情報を組み合わせることで個人を特定できる可能性があること、非公開アカウントでも様々な情報流出経路があることなどを盛り込んた。また、この教材を活用した授業実践を2024年2月に中学生33名を対象として実施し、教育効果を確認した。この結果についても学会発表を実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度にe-learning教材の2作目「動画投稿や配信のモラルを学ぼう!~少しの気遣いで素敵なSNSライフを~」を活用した授業実践を複数実施する予定であったが、実態調査やアニメーション教材の制作等に時間がかかったことから、授業実践を1回しか実施することができなかった。 以上のような状況であることから、やや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度に制作したe-learning教材の2作目「動画投稿や配信のモラルを学ぼう!~少しの気遣いで素敵なSNSライフを~」を活用した授業実践をさらに実施する計画である。また、2021年度に制作したe-learning教材の1作目「動画投稿や配信のモラルを学ぼう!~身バレには要注意編~」も活用するとともに、1作目・2作目ともに、授業実践による教育効果が確認され次第、順次YouTube等で公開していく予定である。 さらに、中学校の教員より「アニメなどの切り抜き動画を生徒が投稿してしまうことがある」などの相談があったため、これらにも対応した教材の制作についても検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、アニメーションを活用したe-learning教材をシリーズで開発し、教育現場で授業実践・検証し、効果を評価した上で、無償で公開するものであるが、2021年度に制作した1作目「動画投稿や配信のモラルを学ぼう!~身バレには要注意編~」と2023年度に制作した2作目「動画投稿や配信のモラルを学ぼう!~少しの気遣いで素敵なSNSライフを~」の2作しか開発することができていない。これは過年度において、実態調査の分析に時間を要したことや、追加の実態調査を実施したことによる遅れのためである。これらの理由から差額が生じている。補助事業期間延長が承諾されたため、次年度にアニメーションを活用したe-learning教材1作を開発する予定である。
|