研究実績の概要 |
本研究の目的は,日本の学級経営を参考にした「インドにおける衛生安全な新しい日本型学級経営モデル」の開発である。 第1に,インドと日本の学校保健衛生に関わる分析と教員への質問紙調査を行った。インドの教員は学校保健の重要性を認めていた。しかし,学校保健が行われていない学校が多いため,実態については無回答の教員が多かった。また,専門家が少なく,学校保健を促進する役割に校長等や学校看護師や医師をあげていた。大多数の学校は年間健康教育計画を持っていなかった。中には,教員による学校保健教育を否定する意見や感染症による学校閉鎖後の再開への恐れを感じている教員もいた。インドでは学校保健について法整備も必要であろう。日本の学校保健には,150年の歴史が必要であった。日本の教員は,学校保健の重要性を認め,さらに,パンデミックにおける学校教育の役割の重要性も認めていた。日本の教員は,学校保健を促進するために教員の多様な役割をあげていた。また,学校保健年間計画・学校保健記録・児童生徒の活動など・多面的な感症予防教育が行われていた。 第2に,これらを受けて「多様性を認める」「衛生安全」な日本型教育のモデルの教材を作成しインドの児童生徒に学級経営の実践を行った。本研究の結果,感染症拡大の中,健康安全な生活・集団の協働という日本型教育を活用して,インドの学校の衛生安全の促進につながる。また,アジアにおける日本型教育トランスファー・国際学校衛生安全教育の基礎研究となる。
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