研究課題/領域番号 |
21K02482
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
中西 紗織 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20584163)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 教員養成課程 / 伝統音楽・伝統芸能の継承 / 身体性 / 体験学習 / 授業デザイン |
研究実績の概要 |
教員養成課程における授業に接続する体験的学習として、大学2年生9名(音楽研究室所属)を対象として研修旅行を実施し、生で日本の伝統音楽・伝統芸能を鑑賞するとともに、それぞれのジャンルの舞台空間の違いや特徴についても見学・調査した。研修旅行に参加した学生は、本研究に関連して中西が作成した「声・コトバ・身体に焦点化した能の学習プログラム(テーマ別プログラム・モデルの実践案)」に基づき、10のテーマのうち、「能舞台から始まる場・時間」、「能の歴史と背景」、「カマエ・ハコビ・謡・仕舞」などの実技、「能の鑑賞」(映像資料による)をすでに学習し、日本の伝統音楽・伝統芸能に関する授業も受講している。今回の研修旅行において、歌舞伎、ミュージカル、能・狂言を見学・鑑賞し、それぞれの違いや特徴、よさとともに、舞台空間の特徴、演劇的テーマや内容と演劇的空間との関連、来場者などについても直接体験することで理解を深めた。また、近い将来教師として子供たちに教えたい・伝えたいポイントについても、独自の発見・視点や根拠に基づき自分の言葉で説明することができ、参加学生同士による多様な感想、意見、新たなアイディアの交流もできた。さらに、研修旅行参加者の中には、例年2月に開催する音楽研究室主催の学外公共施設における演奏・研究発表会で仕舞を舞った学生も1名いた。これは上記学習プログラムの「能の表現・演技」に関わる学習内容だった。今後人数を増やして実施したい。これらのことは、鑑賞と表現とを結ぶことにも関わる大きな成果といえる。 研修旅行に際しては、事前・事後学習に加え、各学生によるプレゼン、レポート提出及びアンケートを実施し、結果分析から次年度への課題や工夫の視点とともに、授業デザイン構想への新たな指針を多く得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、実際の授業構想のための実演家との打ち合わせや、実演家による体験的学習(体験稽古)などの機会を今年度も持つことができなかった。日本伝統音楽・伝統芸能に関する学習や実際の鑑賞体験とその後の振り返り、新たな発見、意見、指導へのアイディア等の交流の機会を持つことはできたので、引き続き計画を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに学生から発表・提案・提出された伝統音楽・伝統芸能に関する授業のアイディアやポイント等を再考し、教員養成課程における有効な授業デザインについて引き続き検討する。これまでの成果や課題を踏まえて、次年度は学生がこれまでに学んだことに基づきアウトプットする(研究発表・実演発表など)機会を持つことを計画する。また、次年度は大学教員と実演家の協働によって、授業デザインに結びつく体験的学習(体験稽古)や実践的研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で実演家の指導による体験稽古を計画・実施できなかったため、主に伝統的舞台芸術を生で鑑賞する機会となる研修旅行を実施し、その結果を検討した。そのため当初予定していた物品費・人件費・謝金が生じなかった。次年度以降、能の学習プログラムのテーマに沿いつつ、授業デザインを展望した研究発表や実演発表などの機会を計画し、新たな授業デザインを構想して計画・実施する計画である。
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