研究課題/領域番号 |
21K02501
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
幸田 国広 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00509218)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 探究的な学び / 知識及び技能 / 国語科と他教科等 / 高等学校 |
研究実績の概要 |
2022年度は、以下の活動・取り組みを行った。 1.シンポジウム「探究的な学習と国語科の役割」(2021年度実施)を『これからの国語教育』№4に掲載した。2.山梨県立甲府東高等学校遠藤祐也教諭による授業の参与観察。遠藤氏は、国語科「言語文化」で、「羅生門」を教材として、模擬裁判、生徒グループによる調査・発表にもとづく集団ディスカッションの授業を行い、国語科における探究的な学びの具体化について検討した。新課程一年目の学年における実践であり、共通必履修科目の一つ「言語文化」において「読むこと」の「精査・解釈」に軸を置いた単元であり、探究的な学びにつながる能動的な学習からグループ学習を経てプレゼンテーションを実施する、という内容であった。クラスによって、模擬裁判かグループ発表化が選択され、同じ狙いの単元でも、言語活動が異なるという興味深い取組であった。3.鹿児島実業高校の上門大介氏の紹介により、同校の探究学習発表会の視察を行った。生徒発表の講評および教員集団とのディスカッションも実施した。発表会当日は、各クラスで選出された代表が、全校生徒の前でプレゼンテーションを行い、フロアからの質疑応答に答える、というものであった。生徒同士の活発な議論が行われており、同校の探究学習が一定程度機能していることが伺われた。4.引き続き「知識及び技能」マップの作成を行った。他教科の科目を取り上げて、国語科の「知識及び技能」がどのような言語活動に貢献できるかという観点から、考察を進めた。 2023年度も引き続き、いくつかの学校・授業等の視察及びマップの作成を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍も落ち着いてきたため、2022年度は学校への参与観察も二件実施できた。ただ、当初の計画に照らすと、その機会はまだ少ない。次年度は、より多くの機会を得ながら、探究学習が新課程においてどの程度、また、どのように進展しているのか(いないのか)を事実の収集を基に進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、奈良県の聖心中高の取り組みを年間のプログラムを追いながら検討していく。また、鹿児島実業については、昨年度一年生だった生徒たちが一年後にどのように探究学習を深めているか、経年比較を行う。 「知識及び技能」マップについては、いくつかの教科目に絞り、また、「情報の扱い方」と「文や文章」「語彙」の三つに観点を限定して、他教科等の探究的な学びにどのように資するのかを検証していく。 さらに、学会シンポジウムも12月に予定しており、協力者を軸に人選も進めているところである。
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次年度使用額が生じた理由 |
学校視察のために計上した旅費に関して、コロナ禍のため、実際に協力がが得られた参与観察が予定よりも少なかったため。
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