研究課題/領域番号 |
21K02508
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
土井 徹 安田女子大学, 教育学部, 教授 (60782125)
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研究分担者 |
岸本 年郎 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 教授 (70728229)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生物多様性 / 保育士 / 小学校教員 / 養成プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保育士、幼稚園・小学校教員志望学生に生物多様性の保全に貢献するための知識の習得と価値観・態度の形成を促すプログラムを開発することである。研究2年目の2022年度は、生物多様性の保全に関する小学5年生対象の授業プログラムを参観した。 広島県江田島市で市・市教育委員会・大柿自然環境体験学習交流館(以下、さとうみ科学館と表記)・市内6小学校が連携・協力して行っている海辺のオリエンテーリング「マリン・アドベンチャー」がそれで、十数年にわたって継続実施されている。この活動では7つのチェックポイントが設定されており、児童は生物の採集後、その生物がそこにいる理由や同目の生物の形態が異なる理由、分布域が決まっている理由を考えながら、生物の多様性,その生存戦略,環境と生物のつながり等に気付くように編成されていた。海辺だけでなく、山や川,市街地におけるプログラム開発を行う際にも有益な先行実践例であり、本研究のプログラム開発に当たって極めて有益な情報を得た。また、開始当初の主目的ではなかった「教師の能力向上」が事前準備と当日を通して実現されており、児童のみならず教員にも生物多様性の保全に関する知識の習得と価値観・態度の形成を促している方略を本研究におけるプログラム開発に転用する予定である。上述した調査結果のうち、児童に関する教育効果は2022年度の日本理科教育学会全国大会にて発表した。教員の能力向上に関しては2023年度にヨーロッパ科学教育学会で発表予定である。この調査結果とESDを推進するために必要とされる指導者の資質・能力・生物多様性の保全のために必要な知識、価値観、態度、生物多様性の現状についての文献調査の結果を踏まえて、2023年度はプログラムを開発・実施する。実施後は、その教育効果について検討し、プログラムを修正することにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定通り2022年5月に小学生を対象とした生物多様性保全に関するプログラム実施を参観し、本研究におけるプログラム開発のための情報収集を行うことができた。またこのプログラムのコーディネーターへのインタビューを通じて、指導者の資質・能力を向上させるためのアイデアを得た。一方、プログラムは構想段階であり、実施・評価には至っていない。2023年度に実施・評価を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度と同様に、ESDを推進するために必要とされる指導者の資質・能力・生物多様性の保全のために必要な知識、価値観、態度、生物多様性の現状についての文献調査を継続する。加えて、ヴァーチャルリアリティ教材を用いた授業実践、大学生を対象とした生物多様性保全に関する授業実践についても調査を行う。以上の調査結果と2021年度に実施した生物多様性保全に関する大学生の実態調査結果を踏まえて、プログラムを開発・実施する。プログラム評価は、授業中・後の学生の反応を分析して研究メンバーで行う。加えて本年度以降に学会発表を行い、他の研究者からの評価も受ける。これらの評価結果はプログラムの修正に活用する。なお、開発するプログラムは、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」および目標15「陸の豊かさも守ろう」関連の2つを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度と同様に参加を予定していた学会発表が全てオンライン開催となったこと、新型コロナウイルス感染防止のために研究者同士の打ち合わせをオンラインにしたことで旅費支出が大幅に減額となった。またプログラム開発に関しては構想段階であるため、予定していた教材用画像とツルグレン装置一式の購入も控えている。以上が次年度使用が生じた理由である。生じた次年度使用額は、教材用画像(静止画と動画)とツルグレン装置一式の購入、および教材用画像を撮影するための機器とデータ整理用PCの購入、教材用画像を撮影するための旅費に使用する予定である。
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