研究課題/領域番号 |
21K02526
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
久米 禎子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90388215)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 箱庭 / 教育相談 / 自己理解 / 自己受容 / 共感的理解 / 教員研修 / グループ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,教育相談力を高める体験型教員研修の実用化に向けて,実際に現場で活用するために必要な具体的な条件や方法を明確化し,効果的な実践方法を確立することである。これに先立つ「箱庭を用いた教師の教育相談力を高める体験型グループ研修の実践研究」において,心理療法の一技法である「箱庭」を活用した教員研修を実践し,グループでの箱庭体験が教師の自己理解や他者理解を深めるのに有効であるという結果を得ており,本研究はそれをさらに発展させ,「箱庭」を用いた教師の教育相談力を高めるための教員研修を,現場で広く効果的に実践するための具体的な方法を明らかにしようとするものである。 研究初年度である令和3年度は教育相談研修の実態調査と教育相談研修実施に向けての準備を行う予定であった。しかしながらCOVID-19の影響により,教育現場での調査が困難となったため,当初の予定を変更して,先の研究に参加した現職教員から得られたデータを詳細に分析することにより,教師自身がとらえる学校教育相談の現状や研修に対するニーズを明らかにすることで,効果的で実践可能な教育相談研修開発の具体的指針を得ることにした。分析の結果,柔軟で多面的なものの見方や変化に気づく観察眼等,教師が必要と考える教育相談的資質が具体的に明らかとなるとともに,そうした力を高めるために,教師の力量を高める必要性とともに職場環境の改善も重要であると考えていることがわかった。 そうした分析と並行して,実践の準備のために,関係のある教育委員会の担当者と面談し,実施している教育相談研修の現状について聞き取りを行い,今後の実践に向けてどのような形態が可能であるか具体的な方向性を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度はCOVID-19の影響により研究期間を延長していた「箱庭を用いた教師の教育相談力を高める体験型グループ研修の実践研究」の最終年度にあたり,その結果の分析と成果発表を行う必要があったことに加え,学校現場の状況および関係機関との調整等が難しく,質問紙調査を実施することができなかった。また,COVID-19の状況から次年度以降の実践の目途が立たず,具体的な実践の準備に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では質問紙調査を予定していたが,より実施できる可能性が高いインタビュー調査に切り替えることも検討している。インタビュー調査は対象人数が少なくなるデメリットがある一方で,抵抗感や困難さなどについてより深く聞くことができるメリットがある。また,実践に関しては今後COVID-19の状況を見ながら進めていくことになるため,実施期間の延長が見込まれるが,令和4年度は実施の可能性を探りつつ準備を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により,調査および実践の実施に遅れが生じたため,物品の購入を延期している。次年度以降は当初の計画通り必要な物品を購入する予定である。
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