研究課題/領域番号 |
21K02528
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉村 昇 熊本大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (20781339)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 数学的モデリング / 現実モデル / 数学モデル / 数学的見方・考え方 |
研究実績の概要 |
現実事象から問題を発見し,数学的モデルを生成過程のメカニズムを基にした授業デザインを実証的に構築することにより,授業で数学的モデ ルの生成を促す ことが可能になる。また,未知の問題の解決能力,つまり基礎的・汎用的能力の育成が可能になる。そして,構築した授業デザインによる授業実践によって問題 解決能力の育成,基礎的・汎用的能力の育成に対して大きく貢献できると期待できると考える。 現実場面から数学化したモデルを生成することが困難であるとよく指摘されている。そこで,デューイの経験学習のモデルを手がかりに,現実事象から現実モデルを生成するメカニズムの解明とその生成モデルの構築をもとに,逆向き設計論における単元設計で,そのメカニズムや生成モデルの構築を役立てることが可能かを検討した。研究の成果の一部は,以下の通りである。逆向き設計論のおける知の構造で,「知っておく価値があるもの」「重要な知識とスキル」「永続的理解」と数学的モデルを関連づけようと試みた。その結果,算数・数学の単元設計で「知っておく価値があるもの」「重要な知識とスキル」「永続的理解」の設定を捉えやすくすることが可能となった。また,「原理や一般化」を行う段階で児童・生徒が「永続的理解」を獲得するために生成したモデルが有効に働いているのでないかという仮説を得ることができた。その仮説を実証していくためには,授業実践を行う中で児童生徒たちの数学的モデルの変化をどのように捉え評価していくのかが課題として明確になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数学的モデルに着目することで,逆向き設計論に基づく単元開発と授業実践に役立つのではないかという示唆が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
授業実践を行う中で児童生徒たちの生成したモデルと数学的モデルの変化をどのように捉え評価していくのかを検討することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度中に,国際会議が日本で対面開催されることになり,それへの参加や発表準備のために必要になった。
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