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2022 年度 実施状況報告書

健康体力分析支援システムの開発と教科内融合プログラムの効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K02547
研究機関滋賀大学

研究代表者

辻 延浩  滋賀大学, 教育学系, 教授 (00378431)

研究分担者 山田 淳子  滋賀大学, 教育学系, 准教授 (00883258)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード体力向上 / 保健と体育の統合単元 / 体つくり運動 / 社会情動的スキル
研究実績の概要

小学6年生を対象に、体育科の保健領域「病気の予防」と運動領域「体つくり運動・巧みな動きを高めるための運動」を取り上げ、統合単元プログラムとして作成し、2学級の担任を対象にその実践の成果とプログラムの有効性を検討した。その結果、①運動領域におけるラダーを用いたプログラムを通して単元前後の、反復横跳びの回数を有意に向上させることができた。②統合単元をとおして、実践をした2学級ともに、体育授業に対する「たのしむ(情意目標)」、「できる(運動目標)」、「まもる(社会的行動目標)」、「まなぶ(認識目標)」を高めることができた。③統合単元を一般化していくためには、体育の専門の有無に関わらず授業者が「保健領域」と「運動領域」のそれぞれのねらいを理解し、運動と健康との関連について児童に意図的に指導していくことが必要である。④授業後の同僚教師との協働的な学びにおいて、互いの実践的指導力を高めることができた。
また、中学校において「体育理論」と「体つくり運動」を統合させる実践を行った結果、①新体力テストの結果を活用した「体力向上を図る体育理論」及び「個別最適な補強運動」は生徒に体力の必要性を実感させるために有効であると考えられた。②「ジャベリックボール投げトレーニング」を週3回、5分間、1ヶ月継続することで投能力を向上させることができた。③生徒が体力の重要性やトレーニング方法とその効果について理解し、得意な力を伸ばしたり、苦手を克服したり、生徒の実態や特性に応じた学習が展開できる可能性が示唆された。
さらに、小学生の社会情動的スキル評価尺度作成を試みた結果、「自尊心」「思いやり」「社交性」「敬意」「自己制御」「目標への情熱」「忍耐力」の7因子21項目における質問項目が摘出され、この評価尺度は信頼性及び妥当性を備えており、小学生の社会情動的スキルを測定・評価することが可能であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・昨年度に引き続き、「新体力テスト分析システム」を活用して、小学6年生を対象に体育科の教科内統合単元として体育科の保健領域「病気の予防」と運動領域「体つくり運動・巧みな動きを高めるための運動」を新たに作成・検証できたこと。
・中学校において、体育理論と体つくり運動(準備運動)の統合単元について検討できたこと。
・小学生の社会情動的スキル評価尺度を作成し、「自尊心」「思いやり」「社交性」「敬意」「自己制御」「目標への情熱」「忍耐力」の7因子21項目における質問項目が摘出され、十分な信頼性と妥当性が得られたこと。

今後の研究の推進方策

・連携協力校において作成した融合プログラムを、小学校並びに中学校の児童生徒を対
象に実践・測定(体力測定)・調査(運動有能感調査,形成的授業評価,非認知能力等)
し、その効果を明らかにする。
・小中学校用プログラムを滋賀県内の小学校に普及させるための方策を検討し、実行する。
・本研究を総括し、一連の成果を報告書にまとめるとともに、国内外の学会で発表する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、連携協力校で当初計画していた活動量計を用いた授業研究が実施できなかった。次年度においてこの検討が実施できるよう研究計画を再デザインする。
・活動量計 / オムロン 活動量計 Active style Pro HJA-750C 見積金額(1個)15,895円(税込み)
・USB通信トレイ / オムロン HHX-IT4 見積金額1,859円(税込み)
当初対面参加を予定していた学会がオンライン発表に切り替えられたため旅費の支出が抑えられた。併せて、研究計画の変更に伴い、研究補助者への謝金の支出がなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 小学校体育科における運動領域と保健領域の統合単元作成の試み:「体つくり運動」領域の「巧みな動きを高めるための運動」を対象として2023

    • 著者名/発表者名
      山田淳子,辻延浩,田中美帆,橋本優介
    • 雑誌名

      滋賀大学教育学部紀要

      巻: 72 ページ: 215-224

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 社会情動的スキル評価尺度作成の試み -小学生の体力と社会情動的スキルの関係把握にむけてー2022

    • 著者名/発表者名
      山田淳子,松田繁樹,辻延浩
    • 学会等名
      日本スポーツ教育学会

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公開日: 2023-12-25  

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