研究課題/領域番号 |
21K02547
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
辻 延浩 滋賀大学, 教育学系, 教授 (00378431)
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研究分担者 |
山田 淳子 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (00883258)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 社会情動的スキル / 新体力テスト / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
小学生を対象に「小学生用・社会情動的スキル評価尺度」を用いて、S県内の小学生を対象に社会情動的スキルを測定するとともに、社会情動的スキルと運動有能感との関係を分析した。相関分析の結果より、運動有能感の「身体的有能さの認知」と「社交性」や「自尊心」との間に有意な相関が認められ、運動が上手にできるという自信をもつ子どもは他者と社会的つながりをつくり維持する能力に長け、自尊心が高いことが示唆された。 小学生(3~6年生)における社会情動的スキルと体力・運動能力との関係を明らかにするために、S県内の小学校に在籍する3年生~6年生の児童788名の新体力テスト8項目と社会情動的スキル7因子21項目との関係を検討した。その結果、男子はいずれの学年においても社会情動的スキル合計得点と体力合計得点に有意な相関が認められた。女子は5、6年生において、社会情動的スキル合計得点と体力合計得点に有意な相関が認められた。特に6年生においては男女とも、すべての社会情動的スキルの各因子得点と体力合計得点に有意な相関が認められた。小学生の社会情動的スキルと体力・運動能力には関係があることが示唆され、特に男子および6年生において社会情動的スキルと体力・運動能力の関係が顕著にみられた。 小学校体育授業(李儒城運動、ボール運動)におけるアクションリサーチを通して,準備運動でのACP導入が主運動への技能向上や身体活動量に影響することが明らかになった。改善したACPにおいて,主運動につながる準備運動では、「しっぽとり鬼遊び」以外では身体活動量が低下した。準備運動における運動強度は,走り高跳びは218.45Metsに比べ,フラッグフットボールは101.48Metsであった。子どもたちの身体活動量は,活動の楽しさが影響しており、主運動につながる運動であり,且つ子どもたちが夢中になることができる準備運動が求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校および中学校における体力向上プログラムの作成とその実践を進め、一定の成果を得ることができた。また、体力と社会情動的スキルとの関係について検討し、小学校高学年において社会情動的スキルの各因子得点と体力合計得点に有意な相関関係を認めることができた。また、身体活動量を高める授業づくりの視点として、準備運動の構成について検討し、知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は異なる地域での体力向上支援プログラムの効果検証を行う。具体的には、令和5年度に実施した体力および社会情動的スキルの調査結果をもとに、授業プログラムを作成し、授業実践と評価を行う。また、これまでに収集した小学校における健康体力データをもとに、縦断的検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度計画のWEB構築業者委託費の執行を当該年度に行うことができず、令和6年度に移行したことによる。 令和6年度に学校現場が利用しやすいWEBシステムを構築し、予算の執行を行う予定である。
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