研究課題/領域番号 |
21K02569
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大森 玲子 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (70447259)
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研究分担者 |
宮代 こずゑ 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (60800034)
笠岡 宜代 (坪山宜代) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 室長 (70321891)
上原 秀一 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (70515965)
久保 元芳 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90451707)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 防災 / 減災 / 食育 / 教科横断 / プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は,教科等横断的に防災・減災の視点を取り入れた食育プログラムを開発し,児童生徒の防災・減災に関連する意識や行動がどのように変容するか明らかにすることを目的とする。 初年度は,既存研究,各省庁資料等を通して,国内外の被災地の食・栄養等に関わる資料分析(A1)と災害時/後の児童生徒の食環境に関する情報収集(A2)を行い,プログラム開発の基礎資料として整理するとともに,平常時の防災・減災への意識・行動に関わる一般を対象とした既存調査の整理と調査(C1)を行う計画とした。 (A1)については,国内の現状のほか,世界的にも水害の多い上海市の災害対策や防災教育の現状について既存研究をもとに整理し,また上海市食品薬品監督管理局職員へのインタビューを実施した。災害時の食品配布についてはスーパーマーケットが供給ポイントとなっており備蓄食料が3か月ごとに調整されること,学校には防災に関わる教科書はないものの,活動クラスの単元を活用して情報提供がなされること等が確認された。(A2)では,異分野融合的な情報収集を実施した他,コロナ禍を災害の一つと捉え,日本と中国の学生の食環境や健康状態の変化を調査した結果,食に関わる教育を受けているほど,災害時の健康状態が悪化しないことを見出した。(C1)では実際の調査には至らなかったため,次年度に実施することとし,前倒しで,教科横断的に防災教育に関わる内容を学習指導要領や教科書等の記載事項を分析することに切り替えた。前倒しに実施した成果は論文に取りまとめ投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた既存研究等の整理と分析のほか,上海市職員のインタビューを実施し,上海市の児童生徒の現状を抽出できたことは計画以上の成果である。一方,一般を対象とした平常時の防災・減災への意識・行動に関わる調査に至らなかったが,次年度実施する予定の教科横断的視点からの学習指導要領分析を前倒しで実施できたので,進捗が遅れているとまではいえず上記の自己評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,既存研究や被災地支援関係者への調査を通して,児童生徒の安全確保と役割分析(A3)を整理するほか,学校における安全・防災教育に関する基礎調査(B1,2)では,学習指導要領や教科書等の記載事項を分析して取りまとめる。また,当初の計画から遅れている平常時の防災・減災への意識・行動に関わる一般を対象とした調査(C1)を実施するため,児童生徒を対象とした既存調査の整理と調査(C2)の遂行が難しければ,翌年度に延期することも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】新型コロナウィルスの影響により,国外に出向いた調査が実施できなかったことと,一般を対象としたオンライン調査を実施する予定であったが,調査デザインが確定できなかったことによる。 【計画】一般を対象としたオンライン調査の調査デザインを最終確認して実施するほか,国内外の調査や学会発表に向けて社会情勢を参考にしながら計画を立てる。
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