研究課題/領域番号 |
21K02569
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
大森 玲子 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (70447259)
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研究分担者 |
宮代 こずゑ 宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (60800034)
坪山 宜代 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 室長 (70321891)
上原 秀一 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (70515965)
久保 元芳 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90451707)
石川 隆行 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (50342093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 防災 / 減災 / 食育 / 教科横断 / プログラム / 地域活動 / 教材 / 備蓄 |
研究実績の概要 |
本研究は,教科等横断的に防災・減災の視点を取り入れた食育プログラムを開発し,児童生徒の防災・減災に関連する意識や行動がどのように変容するか明らかにすることを目的とする。 研究三年目となる23年度は,プログラム内容と教材の検討(D1)を行い,開発したプログラムをカリキュラム化する上で課題となる学校現場の現状について整理した。 現行の学習指導要領においては教科横断的に教科等間の繋がりを捉えた学習を進めていくことにより現代的課題に対応できる脂質・能力が育成されると示されている。防災・減災の視点からプログラムを開発するにあたり中学校家庭科の教科書三社(A, B, C社)の分析を実施した。災害の備えに関する記載についてはAおよびB社7箇所,C社13箇所,災害後に必要な知識に関する記載ではA社5箇所,B社1箇所,C社2箇所であり,災害の備えに関する取扱いのほうが多かった。一方,学校現場の教員から,実際に教科の中に防災教育の内容を盛り込むには教科の時間数から難しいことが指摘されたため,普段の学習に加えて,災害時であればどのような学習が考えられるかという場面設定の内容を盛り込むことで,災害時の状況を想定した学びの深化に繋がる新たな視点が見出された。 学校における防災教育について関係機関へのヒアリングを実施した結果,防災教育の視点や目標の一部に「災害後の生活,復旧,復興を支えるための支援者となる視点を重視する。」,「災害発生時及び発生後に,進んで他の人々や集団,地域の安全に役立つことができるようにする。」が抽出され,防災・減災の取組みの中で,児童生徒が主体的に他者と関わり活動する上での知識・技能の習得が改めて求められていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
児童生徒を対象とした防災・減災に関わる調査を実施する予定であったが,プログラム開発を優先したため,上記の評価とした。調査対象についてはプログラム実施対象者に対して質的調査を行う計画である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,23年度の検討結果を踏まえてプログラムを構築し,各教科への取り入れ方を整理し,児童生徒を対象に試行する。プログラム評価については,実践者への質的調査,試行対象児童生徒への量的調査の両面から行って分析し,開発プログラムの有効性と課題について改善事項を修正する。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】児童生徒を対象としたオンライン調査を実施する予定であったが,調査デザインが確定できなかったこと,実施が困難であることが判明したことによる。 【計画】オンライン調査を実施することを改め,プログラム対象者に対する質的調査を実施することにより現状を把握するほか,国際学会発表に向けて計画を立てる。
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