研究課題/領域番号 |
21K02582
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
宮下 治 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30453955)
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研究分担者 |
倉本 哲男 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (30404114)
松原 雅俊 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10897193)
石塚 等 横浜国立大学, 大学院教育学研究科, 教授 (90794214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教育委員会 / 指導主事 / 資質・能力 / 教職大学院 / 研修プログラム / R-PDCAサイクル |
研究実績の概要 |
全国の教育委員会に配属されている指導主事数は,全国に1万人以上とされるが,近年,指導主事の指導力の低下が多くの学校現場から指摘され,指導主事の専門性の質保証が新たな教育行政・学校経営の課題となっている.そこで,本研究の目的は、教育委員会指導主事(以下、指導主事)の職務及び研修に対する実態調査を通して、学校教育の発展に貢献する指導主事の資質能力論を分析し、究極的には、教師教育の質的向上に資する教育行政(指導主事)の在り方を検討することにある。 本研究の目的を達成するために,次のように研究を進めている.(1) 全国で開発された「管理職・ミドルリーダーの育成指標」等を分析し,教育委員会指導主事が果たす役割,及びそれに対応する資質能力論を全国の都道府県教育委員会への調査等によって検証(Research)する.(2) その調査結果を基に指導主事の職務内容に応じて,指導主事を対象にした研修プログラムを開発(Plan)する.(3) 今日的課題の解決を踏まえた指導主事研修プログラムの実施(Do),及び,その効果実証(Check)する,(4) より高次元の指導主事研修プログラムの質的改善(Action)を図るR-PDCAサイクルを構築する. 2022年度は,(1) 指導主事に求められる職務内容と,指導主事の職務遂行上,特に必要な資質・能力について先行研究をもとに探り,指導主事として職務を遂行していく上での資質・能力について知見を得た,(2) 指導主事の資質・能力の向上を図る研修の現状について,研修の内容や東京都教職員研修センター発行の各種テキスト等から把握した,(3) 指導主事の資質・能力に関する現状と課題に関するアンケート調査を小学校長・中学校長・教育委員会指導主事を対象に質問紙法により調査を実施し,校長対象の結果については論文として公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 教育委員会指導主事の資質・能力の向上を図る研修プログラムを開発することを目的に研究を進めている.2021年度は,研究を進めていく上での第一段階として,指導主事に求められる職務内容と,指導主事の職務遂行上,特に必要な資質・能力について先行研究をもとに探った.その結果から,指導主事として職務を遂行していく上では重要である資質・能力を「専門性に関する資質・能力」「リーダー性に関する資質・能力」「社会性に関する資質・能力」の3つに分類を行った.その成果は,宮下(2021):帝京平成大学紀要,第32巻.に掲載した. (2) 東京都教育委員会を例として,指導主事の資質・能力の向上を図る研修の現状について,研修の内容や東京都教職員研修センター発行の各種テキスト等から把握した.併せて,横浜市教育委員会,千葉県教育委員会,大阪府教育委員会,札幌市教育委員会に対して指導主事の研修とテキストの現状についての調査を行った.その上で,教育委員会指導主事の資質・能力の向上を図る研修の現状と課題をまとめた.その成果は,宮下(2022):帝京平成大学紀要,第33巻.に掲載した. (3) 東京都を中心とした指導主事の資質・能力に関する現状と課題に関するアンケート調査を小学校長・中学校長・教育委員会指導主事を対象に質問紙法により調査を実施した.その結果の一部は,宮下・倉本(2023):日本女子大学紀要,第33号,宮下(2023):明治大学教職課程年報,第45巻.に掲載した.以上の理由により,おおむね順調に進展しているとした.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は以下の研究を実施する予定である. (1) 2021年度に実施した,指導主事として職務を遂行していく上では重要である資質・能力を分析しつつ,「教育委員会指導主事の資質能力論」に関する文献の先行研究,我国の先行事例を引き続き調査していく.また,指導主事の資質・能力に関する現状と課題に関するアンケート調査を小学校長・中学校長・教育委員会指導主事を対象に実施した調査結果を整理し(Research),指導主事を対象にした研修プログラムを開発する(Plan). (2) 指導主事研修プログラムの実施(Do),及び,その効果実証(Check)を行い,得られたデータを解析し課題を抽出する.その成果を関係学会発表,学内FD開催,国内シンポジウム発表等を通して,モデルプログラムの具体的改善の方向性を多面的に議論する.その研究の知見を総合的に活用し,適切なモデルカリキュラム・指導論の開発,さらなる改善を図る(Action).
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)コロナ禍の影響により,対面による学会出張や聞き取りのための調査出張があまりできなかったことなどにより,旅費がかなり使用することができずに余ったためによる.また,図書館などの活用をしたことにより,Action Research,教師教育等に関する図書などに関する文献は購入せずに済んだためによる. (使用計画)①.研究の成果を踏まえて国内学会で発表するための旅費が必要である.②.指導主事の資質・能力向上を図るための教育委員会や教職大学院の国内調査のための旅費が必要である.③.国際学会でその成果を発表するための旅費が必要である.また,発表原稿の外国語論文の校閲が必要である.④.消耗品(文房具・その他)が必要である.
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