第一に、本研究の学術的意義としては、生徒指導上の課題を抱えた児童生徒(at Risk児童生徒)の情動特性研究に、少数事例分析ではあるがエビデンスを提供するものである。また、at Risk児童生徒の日々の情動や主観的幸福感をリアルタイムで把握することで、状態に応じた支援ができれば、いじめ被害や不登校の未然防止および早期発見早期対応が可能になると思われる。 第二に、本研究の社会的意義としては、児童生徒の自殺・問題行動の基底部をなす情動の自己認識や情動のコントロール、他者の情動の理解や共感性の育成が、現代教育で求められている。本研究は、その点に関する基礎研究データを提供するものである。
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