研究課題/領域番号 |
21K02587
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
浅野 由子 日本女子大学, 家政学部, 講師 (80508325)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | SDGs / 若者 / アクティブラーニング / 実践型 / 体験型 / 提案型 / まちづくり / 連携 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、SDGs先進国のスウェーデンウプサラ市と日本のユネスコ学習都市である岡山市を比較し、両市における若者(特に中高生や大学生)の活動に着目し、その活動が地域の活性化にとって如何に重要か、SDGsに関連したアクティブ・ラーニングの現状を追跡しながら明らかにすることである。昨年度(2022年度)までは、両市における活動の形態を、体験型、提案型、そして実践型のアクティブラーニングとして整理し、特に、本年度においては、両国の政治システムの比較も併せて行っていく予定であった。スウェーデンには、夏(8月)と冬(12月)、春(3月)の3回、岡山には、秋と冬(9月、11月、1月)訪問調査し、若者に関わる機関である国連若者団体、オンブズマン団体において、若者のキーパーソンにインタビュー調査を実施した。また、岡山市においては、SDGsに関する若者の活動を、SDGsフェア、SDGsフォーラム、ESDカフェに参加し、追跡することが出来た。これまでの調査から、コロナ禍以上に、SDGsに関する若者の活動は、両市において活性化している現状が確認された。特に、小学生のレベルでは、体験型のアクティブラーニング活動でも、中高生や大学生の活動では、企業やNGO団体といった各機関との提案型アクティブラーニングが展開され、実際に、まちづくりに向けた実践(参加)型アクティブラーニングが展開されている実態が明らかとなった。また両市の特徴として、スウェーデンでは、オンブズマン団体や国連若者団体が、学校と企業をつなぎ、子ども(若者)の意見を取り入れるシステムが充実している一方で、日本では、社会教育機関である公民館が、その役割を果たしていることが、イベント等を通して明らかとなった。最終年度は、これまでの調査を、アンケート調査も取り入れながら、実証していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、両都市へ、調査訪問を3回実施することが出来、日本では、特に、SDGsに関する貴重なイベントに参加することが出来たこともあり、アクティブラーニングの現状を追跡することが出来た。また日本地域政治・地方政治学会にも参加することで、SDGsにおけるESDの意義について、地域政治といった観点からも、その在り方について、考察を深めることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでは、キーパーソンへのインタビュー調査が中心であったが、今後は、若者に向けたインタビュー調査やアンケート調査も行っていきたい。最終年度ということもあるので、両市のアクティブラーニングの現状を比較検討し、積極的に論文や報告書にする予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に予定していたまとめが、コロナ禍の影響により遅れが生じたことと論文化と報告書の作成が遅くなってしまった為。岡山市とウプサラ市への調査をデータ化することにより、学会発表と学会誌への論文投稿、報告書の作成を行う。
|