研究実績の概要 |
現代社会で求められているのは、科学技術研究の現場を担う専門家だけではなく、科学技術の素養を持ちつつ、みずからと社会全体の豊かさを追求していける個人である。Society5.0を見据えると、科学技術リテラシーをすべての児童生徒に育むことは、学校教育の喫緊の課題である。本研究では、科学技術リテラシーを中学校数学科を核として育成することを目指し、科学技術リテラシー育成のための中学校数学科におけるSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)領域のカリキュラムや授業を、研究者と実践者が、理論的枠組みに基づき協働的にデザインし、参与観察し、記述、分析、探究、開発、提案することを目的としている。 令和4年度は、第1に、2020年代において中学生が身に付けてほしい「数理科学リテラシー」について、特に「対話する力」、「論理的思考」、「批判的思考」の観点から調査、検討した。第2に、授業を協働的にデザインする理論的枠組みについて調査し、研究者と実践者とで検討を重ね、暫定的な理論的枠組みを洗練させた。第3に、暫定的な理論的枠組みに基づいて、生活習慣等を題材とする中学校数学科(第1学年、第2学年、第3学年)の授業を、研究者と実践者とでデザインし、実践、参与観察し、分析した。開発された中学校数学科の授業について、そのねらい、学習指導案、実際等その詳細を研究成果として発表した。
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