研究課題/領域番号 |
21K02602
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
田中 生雅 愛知教育大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10262776)
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研究分担者 |
田中 優司 愛知教育大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70377654)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 健康支援 / ICT授業 / 大学生 |
研究実績の概要 |
本年度計画では二つの調査を実施した。 調査1:学生のメンタルヘルス状況や健康状況を見るための、健康診断時アンケート調査については令和4年度学生定期健康診断(令和4年3月下旬から)にて実施した。健康診断に参加した約3800名の学生のうち約1720名のアンケート回答を得た。回収した回答について年度内に集計が終了せず、集計および解析は次年度に行う計画である。 調査2:令和3年度内で研究代表者が実施する授業を対象に、研究期間に1)「リフレッシュ動画のない通常のオンデマンド授業(6回)「リフレッシュ動画を組み込んだオンデマンド型授業(6回)」を実施、2)授業最後に「疲労・体調の変化」「授業の感想」をたずねる数問の質問票で調査を行い、「リフレッシュ動画のない授業」で62名(男性11名、女性50名、性別回答無し1名)、「リフレッシュ動画を組み込んだ授業」で55名(男性10名、女性45名)のアンケート回答を得た。授業参加学生の健康観察を行った。 ICT授業と健康に関する自由意見では、「いつでもどこでも受けられる点は良いが、一日中座ったままでいることが多くなり、画面を見続けるので健康には良くないだろう」「長時間ICTを受けると頭痛がする。気圧や天気の影響を受けやすく、雨天が近づく日にICT授業を受けると頭痛や目の疲れや首や肩の痛みを感じる。個人差はあると思う。」「長時間PC等の画面を見続けると、眼精疲労が大変たまる。特に長いレポート課題がいくつも出されていると画面を注視する時間が長く、頭痛や目の渇き、寝不足が発生しやすくなる。」等貴重な意見を多数得た。調査2も回収した回答について年度内の集計は終了しておらず、集計および解析は次年度に行う計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度の実施計画の内、年度末に開催される健康診断時の健康アンケート実施と「リフレッシュ動画を含むICT授業、リフレッシュ動画を含まない通常のICT授業の2種類の授業の実施と授業後アンケート」の実践が主な研究であった。 授業アンケートについては、授業受講者が例年より少なく、今年度に回収できた回答はリフレッシュ動画を含む授業55名、リフレッシュ動画を含まない授業62名であった。健康診断時のアンケート調査については、アンケート回答者は想定の1000名を超え、1700名程度となった(次年度に集計)。結果集計を年度内に行うことができず、次年度早期に集計と解析を行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、令和3年度研究で回収した健康診断時健康調査(研究1)、授業アンケート(研究2)のデータを詳細に検討し、結果をふまえて、「ICT(オンデマンド)授業」が疲労感や健康にどう影響するかと健康を維持する方法を明確にする。 個別の統計処理にあたり、プライバシーへの配慮に気を付ける。今後の健康教育や指導における「ICTを使った授業」をどのように行うかについて健康上の配慮点を明確にす る。また、令和3年度同様のアンケート調査を令和4年度にも行い、健康支援センターで行われる定期健康診断を通じての経過観察を継続する。個別の指導から実際の問題点を抽出し、検討する。その上で、「オンライン授業の健康支援での利用の可能性」についても検討し、教育場面での健康サポート技術の発展を目指す。 令和4年度には成果発表を申請者が行う計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
①令和3年度で行ったアンケート調査の実施が年度末となり、集計の外部依頼が令和4年度研究での実施となってしまったこと。 ②調査結果の検討がデータ集計後となることで、物品の購入等も令和4年度研究に行うこととなったこと。 以上が次年度使用額が生じた理由である。よって令和4年度に集計の外部委託費および研究に必要な図書、研究発表を行っていくために必要な用紙やインク等の物品を購入する計画である。
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