研究課題/領域番号 |
21K02613
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
林 幸克 明治大学, 文学部, 専任教授 (90440651)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 高校生 / 体験活動 / 社会参画意識 / 小高連携 |
研究実績の概要 |
岐阜県中津川市立阿木高等学校において,生徒対象インタビュー調査を行った。また,青森県立青森工業高等学校ねぶた部の活動見学及び生徒対象インタビュー調査を実施した。 前者について,小学生との交流に関して,そこに至るまでの経験から多くの気づきや学びを得ることができており,それが,小学生との交流にも活きていることがわかった。小学生との交流だけをみるのではなく,様々な活動との関連の中で捉える必要がある。また,学校の実情を知ってもらい,認知度の向上を図ることで,小学生がより身近に感じることができて,交流する活動の幅が広がる可能性がある。高校生からのアプローチだけではなく,小学生からのアプローチもあり得る状態にすることが期待できる。これは,小学生に対してだけではなく,小学生以外の子どもや市民に対しても同様である。学校の設立経緯などを勘案すると重要な事項であると考えられた。 後者について,青森県という地域性もあり,ねぶたに対する興味の高さがあり,それを活かした活動を通した交流を考えることが求められることが示された。ただ,見方を変えれば,すでに広く知られているからこそ,活動のハードルが高くなっていると捉えることができた。また,活動先や対象によって,ねぶたの魅力の伝え方も異なる。そのため,様々な地域・年代に合わせた交流のために,自分自身がより深く・より広く,ねぶたに関する知識・理解を持つことが求められることも見えてきた。交流活動の幅を広げるポイントになり得るものであり,学校の外に出て行う活動だけではなく,学校に迎え入れて行う活動も視野に入れるとよいという示唆を得ることができた。ねぶたへの関わり方が,小学生など小さい頃は「見る側」で客体としての関わりであったものが,高校生になり,専門性を修得し,経験を積むことで,主体的な関わりへの変容していったことがうかがえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響で高校生の活動そのものが少なく,また,活動見学が制限された。その中で,高校生にこれまでの活動を振り返る形でインタビュー調査を行い,小学生と交流する意義と課題を一定程度明らかにすることができた。 初年度は岐阜県中津川市立阿木高等学校だけを対象とした調査を計画していたが,青森県立青森工業高等学校ねぶた部も対象として調査を実施することができた。さらに,長野県小諸商業高等学校と連絡を取ることができ,次年度以降の調査を円滑に進めることができるように基盤整備をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響を勘案しながらの研究になるが,初年度に調査を行った岐阜県中津川市立阿木高等学校での活動見学,青森県立青森工業高等学校ねぶた部の活動見学などを継続して実施する。また,長野県小諸商業高等学校の活動見学も実施する。 初年度不十分であった活動見学を中心に研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で,見学できる活動が少なかったため,それに伴い現地に行く頻度も少なくなり,当初の予定よりも旅費に係る支出が少なくなったためである。 次年度もコロナ禍の影響を鑑みながらになるが,初年度よりも活動見学ができる見込みである。現地に行くための旅費などを中心とした使用を計画している。
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