研究課題/領域番号 |
21K02614
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研究機関 | 岐阜女子大学 |
研究代表者 |
谷 里佐 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10440554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地域学習 / 伝統文化 / デジタルアーカイブ / オーラル・ヒストリー / デジタル教材 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、地域学習に効果的な活用ができる教材として、オーラル・ヒストリーのデジタルアーカイブがどのような面で活用が期待できるか、また、活用にあたっての留意点は何かについての資料調査と、本研究において、地域に根差す伝統文化として、デジタル教材化の対象として取り上げる「長良川鵜飼」の撮影記録(既存の記録資料の調査、整理を含む)を行った。 資料調査では、主に、小・中・高等学校の教員に対し、オーラル・ヒストリーのデジタルアーカイブ利用後に、1.教育資料としてのデジタルアーカイブ 2.語りのデジタルアーカイブの教材化に関する利点と問題点 の2つの観点に関する意見を収集した。今後、収集した意見の内容分析を進める。併せて、デジタル教材の利活用に関わる文献調査を行った。意見収集、文献調査の過程で、デジタルアーカイブ(ここでは、「有形・無形の文化・産業資源等をデジタル化により保存し、利用者の求めに応じたメディアで継続的に提供し、人々の意思決定や創造的活動に活用する」ものと捉える)の利用にあたっては、デジタル機器の取扱いの難易度や、学校や家庭におけるネットワーク環境や機器の整備状況との兼ね合いへの懸念等が見出された。そこで、デジタル機器の取扱いやネットワーク環境の違いへの対応の一助として、観光地の情報発信に利用実績があるデジタル音声ペンを活用したデジタル教材化の試行を行った。 撮影記録では、「長良川鵜飼」の撮影記録を行い、鵜匠の話や鵜飼の舞台である長良川の景観を記録した。「長良川鵜飼」では鵜匠のみでなく、船頭、ボランティアガイドなど様々な人が関わっており、そうした人々の語りにも今後着目し、研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究計画時の想定以上に現地調査や撮影記録にも制限がかかり、困難が生じた。制限下でも実施可能な意見収集や文献調査を中心に研究を進めることはできたが、進捗状況としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、前年度に収集した意見の内容分析を進め、その結果を踏まえて、地域学習に活かせる語りのデジタル教材化と教材情報の保管、提示、提供方法について検討する。撮影記録に関しては、「長良川鵜飼」の撮影記録に継続して取り組むが、新型コロナウィルス感染症の状況により、新規撮影記録が出来ない場合も想定し、既存資料の掘り起こしも進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の影響により、研究計画時の想定以上に現地調査や撮影記録にも制限がかかり、困難が生じたため、前年度に進められなかった研究調査や撮影記録に関わる費用として使用する。また、次年度は、撮影記録(新規記録が出来ない場合の既存記録の整理も含め)の整理等を進めるため、その人件費にも使用する。
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