研究課題/領域番号 |
21K02620
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
山田 哲也 東海学園大学, 教育学部, 教授 (00727224)
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研究分担者 |
原田 信一 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90646647)
荻窪 光慈 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00431726) [辞退]
湯地 敏史 宮崎大学, 教育学部, 教授 (80418988)
岳野 公人 滋賀大学, 教育学系, 教授 (70313632)
山岡 武邦 滋賀大学, 教職大学院, 特任准教授 (00844565)
角 和博 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 客員研究員 (80145177)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | STEAM教育 / 学習レリバンス / プログラミング的思考 / 教育方法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,初等・中等教育において,STEM/STEAM教育(Science, Technology, Engineering,Art, Mathematics)の分野横断的な立場から,プログラミング的思考を基盤としてものづくり教育を展開し,学習レリバンス(児童生徒がどのような意味や意義を感じているか)に関わる能動的な学習ための教材と教育方法を開発することにある。 前年度に引き続き,STEAM教育のそれぞれの領域ごとに学習レリバンスを個人的レリバンスと社会的レリバンスに大別して調査を行った。例えば,家庭科において家庭機器の科学・技術的要素を学ぶ場合においても,学習の意義を感じる学習分野には差があり,自動車・自転車などの機械領域ではしくみなどに着目していることがわかった。情報リテラシーの学習においては,個人的レリバンス・社会的レリバンスともに,情報セキュリティーやリスクのまとまりが強く表れ,個人的レリバンスでは,活用や分析のまとまり,社会的レリバンスでは生産性や効率化に関するまとまりが見られた。このように領域ごとに個人的・社会的な意義を感じることに差があることがわかった。 プログラミング的思考を基盤としたSTEAM教育の学習レリバンスを視野に入れた実践研究としては,多くの実践研究を進めることができた。双方向性のあるチャットアプリ,360度カメラ,ドローン,生成AIなど今日的な教材を用いた教育方法や教育課程の開発を行った。また,Art領域の研究として,人形映画・テレビCM作品・アニメーション制作に関する調査や教育方法などの検討を進めることができた。 理論研究と実践研究を並行して進めているが,STEAMの領域によっては,あまり進められていない領域もあり,その補填や理論と実践の整理を行う必要性などから,研究期間を延長し研究を継続することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度を踏襲した学習レリバンスに関する調査は,比較的円滑に進められた。研究代表者と研究分担者の1名に所属研究機関の異動があったことなどから,学習レリバンス構造を踏まえた教材と教育方法の開発において一部遅れる部分があった。遅れている教材開発などの実践的な研究の補填を行い,理論と実践の整理を行う必要性などから,研究期間を延長し研究を継続することにした。
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今後の研究の推進方策 |
STEAM各領域の学習レリバンスに関する意識のデータがそろってきているため,その整理と重要な要素の抽出作業を行っていく。この知見を基にした教材や教育方法を高等学校から中学校,小学校へと展開するステップを明らかにしていくことになる。本研究で行っているプログラミング的思考と関連付けたSTEAM教材や教育方法の開発は小・中・高が同じ学習上にあるように系統だって進めているため,教育方法の構築にあたっては,研究代表者,研究分担者が適切な時期に会議を行い研究を進めていく必要性が強まっている。会議での議論を開発に活かせるように進める。また,最終年度にあたって,国際発表を含めた成果発表の計画を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の研究環境に変化(所属研究機関の異動)により,計画していた授業実践等が若干変更になり,教材の評価などの実践的な研究の物品費が次年度使用となった。また,国際発表のための海外渡航を次年度に変更したため次年度使用が生じた。研究期間を延長したため,次年度使用分については,不足している調査や分析,国際学会への旅費としての使用を計画している。
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