研究課題/領域番号 |
21K02650
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 正弘 筑波大学, 大学研究センター, 准教授 (30423362)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高等教育 / 内部質保証 / 学生参画 / 国際比較研究 / イギリス |
研究実績の概要 |
今年度は、イギリスの学生組合が作成した「学生意見書」(student submission)に関する資料の収集に注力した。その資料の中から、特に、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン,グロスタシャー大学,ボルトン大学の学生意見書の内容に着目し、詳細な分析を行った。そして、その成果は、下記の共著として出版できた。 ・田中正弘・武寛子(2022)「学生が作成する評価報告書は質保証にどのような影響を与えているか―スウェーデンとイギリスの『学生意見書』を参考に―」『教育学系論集』第46巻第2号,1-16頁。 加えて、日本の事例にも着目した。特に、筑波大学におけるプログラムレビューへの学生参画について、その制度構築に関与した自身の経験を踏まえて、英語論文にまとめ、国際誌に投稿した。その結果はまだわからないが、たとえ不採択でも、チャレンジは継続したい。 また、上記の研究成果を広く社会に還元する目的で、下記のように、学会発表だけでなく、FD講演も行った。 ・田中正弘(2022)「大学における学修評価のあり方再考―遠隔授業における評価方法―」(熊本保健科学大学での招待講演:3月25日)、田中正弘(2022)「内部質保証のアクターをめぐる日英比較―学生の役割に着目して―」(名古屋大学での招待講演:3月17日)、田中正弘(2021)「学修成果の可視化と評価指標の開発」(岩手県立大学盛岡短期大学部での招待講演:9月13日)、田中正弘・金沢拓也・北澤繁人(2021)「学生の視点による教育改善案 試行的提示」(筑波大学での講演:7月20日)、田中正弘・武寛子(2021)「学生が作成する評価報告書は内部質保証にどのような影響を与えているか スウェーデンとイギリスの「学生意見書」を参考に」日本比較教育学会第57回大会(オンライン)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Covid-19の影響により、イギリスへの訪問調査は断念したものの、現地の研究者の協力をオンライン上で得られたため、学生意見書に関する資料収集は予想以上に順調に進んだ。そして、その分析結果を予定よりも早く共著にまとめることができた。また、平行して、日本に関する分析も行い、その分析結果も英語論文にまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
イギリスへの訪問調査を実施し、学生組合の関係者と面談することで、次の2点を中心に質的調査を行いたい。具体的に、①質保証に関わる学生の訓練をどのように行っているのか、②学生意見書の執筆体制をどのように決定しているのか。それから、日本における内部質保証への学生参画の事例を収集し、類型化を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、イギリスへの訪問調査を断念したため、旅費に残額が生じた。
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